戯言3-14 ページ15
まぁ土地勘のない僕だから迷子になるのは定番のことだよねー！
でも大丈夫。冒険は、先が見えないからこそ真っ暗闇。人生と同じだね！
｢おっと、失礼。｣
柄の悪そうな男にぶつかる。男という時点で早々と足早にその場を後にする。特に気にすることも無く歩き続けた。
その後も何件か店に入って物色を続ける。変な木彫りの像、曰くがありそうな人形、素晴らしいガラクタばかりだ。
｢黒羽くんに買ってあげよー！｣
ピラニアみたいに恐ろしい顔をした魚の木彫りを手に取る。だが買おうとした所で思い出した…お金が無い。
別に貧乏だからとかそういうことでは無い。この国での通貨を僕は持ち合わせていなかった。
…そろそろ良いか。
渋々店を出た僕は真っ直ぐ歩き出す。一応帰る為の手段として携帯の電源をONにした。通知が溜まりに溜まっており、最近のもので丁度20分前頃に工藤くんからメールが届いていた。
『読んだら直ぐに返せ。』
相変わらず偉そうだな。いやこんなものか。指を滑らせて文字を入力していく。
『やぁ、お土産は何がいい？』
送信っと。これであいつも満足だろ。
やれやれ、どうして僕があんな奴のご機嫌取りをしなければならないのか。日本に帰る時だって、ミラ王女が住んでるお城に行けば毛利さんや蘭ちゃんもいるからなんとかなる。
なんなら交番に行って誘拐されたーって言うのもありだ。泣きながら訴えかければ何とかなるだろう。
だから工藤君に頼らなくってもどうとでもなる。
｢こんな所で兄ちゃん1人かい？｣
ここで冒頭に戻るのさ。
路地裏の人気がない場所。僕の後ろには壁があってこれ以上は先に進めない。
目の前にいたのは店に入る途中でぶつかった柄の悪い男と手下数人だった。
｢金を出せ。｣
アジア系の男の子は幼く見えるから、舐められやすい。幾分か人より幼さの残る僕が一人で歩いていたなら格好の餌食なのだろう。
何件か店を回ったのも、繰り返していれば諦めてくれてくれるかなって言う願いと、彼らの上下関係を見るためだ。
｢おいビビって声も出ねぇのか───っ！？｣
ビリリと聞こえた電気の走る音。すごいスピードで何かが男の顔面にクリーンヒットする。残りの奴らも次々と倒れて行った。
な、なんでここが分かったんだ。
最後の男にそれが当たると、跳ね返って僕の顔の横スレスレに壁にめり込んだ。冷や汗が垂れる。
回転が止まり空気が抜けたサッカーボールは壁にヒビを入れた後しなしなと床に落ちていった。
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イロハ(プロフ) - セイさん» セイ様へ、長い間お待たせてすみません。ですが覚えてくださった方がいてくれてとても嬉しいです。コメントまでして下さって、もっともっと精進しつつ続けていきたいと思いました。これからもよろしくお願いします*ˊᵕˋ* (1月10日 11時) (
レス) @page16 id: 7c23aeb2f0 (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - 続編ありがとうございます。更新通知が来て舞いあがっちゃいました。また神代君の戯言が見られて嬉しいです。欠けた心を持つ神代君と彼に振り回される主人公達が大好きです。次の更新も楽しみにお待ちしております。 (1月10日 8時) (レス) id: ec218c72f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イロハ | 作成日時：2023年12月24日 19時
