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戯言3-13 ページ14

いやぁこれは困ったなぁ。


周りを屈強な男どもに囲まれる。ここは路地裏だ。今日もいつも通りついてない日だ。


遡ること数分前──


僕はルパンに連れられ、後部座席に座っていたミラ王女と不二子ちゃんの飲み物を買いに行く。男なんだからお前も手伝えって、飲み物買うだけなのに非力なやつだなぁ。


自販機まで向かう道のりの中、特別話すことも無いためしばらく沈黙が続いた。昨日知り合ったばかりで仲良くもないため仕方の無いことだ。


だがその沈黙を先に破ったのはルパンだった。


「…お前さん、いつも誰かに狙われてるのか?」


「なんのこと?」



質問の意図が分からず彼に聞き返す。ルパンは昨日の晩のことについて説明しだした。


身体中にナイフを仕込んでいる高校生なんて見たことがない。寝静まったAに近づいたルパンは素早く押さえられ首を切られそうになった。


そこで一言、『なんだ、おじさんか…』。



「あの時一体誰と勘違いしてたんだ?」


「…。」


僕は何も答えない。


僕は彼と違って犯罪者じゃない。だから、彼みたいに常に命を狙われる心配は無い筈だった。


でも、前にも言った通り恨みを買い続けた僕とコナンの世界は相性がすこぶる最悪なんだ。


タガの外れたこの世界では、僕のような異常者も、もはや異常者ではなくなる。平凡な高校生になってしまった僕を殺すのはいとも簡単な話なのだろう。


「それは見当違いな質問だね。誰が(・・)とか、関係ないよ。」


僕は君達みたいに特別な才能を持っている訳でもないし、主人公と愉快な仲間たちのように確実に生き残れる保証は持ち合わせていない。


ただのモブだし、本当の意味での部外者だ。


「自分の身は自分で守らないと。誰かさんみたく、才能も運も人望も、何も持ち合わせていないものでね。」


全部一人でしないといけない。まぁ人望に関しては自業自得な部分もあるから仕方の無いことでもあるが、それは運がなかったということにしておこう。


…このまま行くと不味いな。次元大介と一緒に事件の捜査をしている工藤君と鉢合わせてしまうことになる。


そうなると、初めての海外旅行なのに邪魔されかねない。僕は事件なんかに首を突っ込んでる奴らとは比べ物にならないぐらい楽しい思い出を作りたい。


自販機を見つけて先に歩くルパンを置いてすっと人混みに紛れる。



やっと1人になれた。ほっと息を着く。これが本来の僕の日常だ。誰にも干渉されない、誰も僕のことを知らない。誰も知ろうとしない。



飛行機から見えた景色。あの絶景を見ることが出来る鳥もこんな気持ちだったのだろうか。

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イロハ(プロフ) - セイさん» セイ様へ、長い間お待たせてすみません。ですが覚えてくださった方がいてくれてとても嬉しいです。コメントまでして下さって、もっともっと精進しつつ続けていきたいと思いました。これからもよろしくお願いします*ˊᵕˋ* (1月10日 11時) (レス) @page16 id: 7c23aeb2f0 (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - 続編ありがとうございます。更新通知が来て舞いあがっちゃいました。また神代君の戯言が見られて嬉しいです。欠けた心を持つ神代君と彼に振り回される主人公達が大好きです。次の更新も楽しみにお待ちしております。 (1月10日 8時) (レス) id: ec218c72f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2023年12月24日 19時

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