戯言3-11 ページ12
翌朝目が覚めると違和感に気づいた。
目の前にはやけに暖かい壁…いや、これは…
「お、やっと起きたかー」
驚いて、咄嗟に両手で押しのける。
「いってぇーなぁ!何すんだよ!」
ベッドの下に落ちた男…ルパン三世は腰をさすりながら怒っていた。
今の今まで、この男と一緒に同じベッドの上で寝ていたと気づくのにそう時間はかからなかった。
何故よりにもよってこの男だったんだ。なんで不二子ちゃんじゃなかったんだ。なんなら王女様でも良かった。
…?なんだか体が軽い。寝る前と比べて乱れた自身の服。なんだ?パーティ会場からずっと同じ服だったからブラウスを着用していた訳だが、前のボタンは全てはだけていた。
ズボンは脱がされたのか下は下着姿だ。
「…やらかした。」
「え?」
うわ、これって浮気じゃん。あちゃー工藤君に知られたら怒られるだけじゃ済まないぞ。
「どこまでヤッたの?…無防備にスヤスヤ寝ている未成年を襲うなんて、やっぱり本物の犯罪者の考えてることって何処までも最低最悪だ。」
にしてはパンツが綺麗だな。あ、もしかしなくともヤッてない?
「ちょちょちょ、勘違いすんなよ!お前さんが俺の服を掴んで離さねーから仕方なしに添い寝してただけだからな。俺にそんな趣味ねぇーから!」
「掴んで離さないって…まさか〜そんなわけないよ。」
「いやホントだって!俺は女にしかキョーミないのぉー!特にガキにはもっと興味ねぇよ!!」
起きてしまったことは仕方がない。人間切り替えが大事だ。それはそうと、自分の体を触ってあるはずのものが無くなっていることに気づく。
ない。ない。どこに行った…?
「おめーさんが探してんのはこれか?」
そんな様子を見かねたのか、ルパンが1本のナイフを見せる。握られたナイフを見て、探してたものと一致することを確認する。
「他のやつも全部取っといたぜ。寝る時にんな物騒なもん身につけてたら寝づらいだろ。にしても凄い量だ。…これで一体何するつもりだったんだ?」
「何って…分かりきったことを聞くなよ。」
護身用となんちゃらって意味もあるけど、とことん意味をつきつめていけば人を切る。それだけだ。
「おめーさん、一体、「ルパーン♡起きたの〜?」
ルパンがなにか言おうとした時に、不二子ちゃんが部屋に入ってきた。
もう化粧も終わらせたんだろう。バッチリ上がったまつ毛にプルンとグロスの乗った唇。今日もなんてセクシーなんだろう。
「…ちょっと…私の助手にナニしてんのよ!!」
「誤解だってぇ〜〜〜!!!」
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イロハ(プロフ) - セイさん» セイ様へ、長い間お待たせてすみません。ですが覚えてくださった方がいてくれてとても嬉しいです。コメントまでして下さって、もっともっと精進しつつ続けていきたいと思いました。これからもよろしくお願いします*ˊᵕˋ* (1月10日 11時) (レス) @page16 id: 7c23aeb2f0 (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - 続編ありがとうございます。更新通知が来て舞いあがっちゃいました。また神代君の戯言が見られて嬉しいです。欠けた心を持つ神代君と彼に振り回される主人公達が大好きです。次の更新も楽しみにお待ちしております。 (1月10日 8時) (レス) id: ec218c72f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イロハ | 作成日時:2023年12月24日 19時