Swallows short story 2nd

坂口智隆 ページ9

A｢お兄ちゃーーーーん！｣


抱きついてきたのは
18個離れている妹のA
学校帰りなのか制服姿だった


A｢お兄ちゃんこのあと時間ある？｣

坂口『あるにはあるけど…？』

A｢よし、ご飯食べに行こ！｣

坂口『まだ練習残ってるから待ってて』

A｢うん！｣


Aは蒸し暑い戸田球場の
日陰の中で待っていた


A｢暑いなぁ…｣

坂口『ほら、水分補給忘れるなよ？』

A｢ありがと！｣


冷たいスポーツドリンクをAにあげた
Aは下敷きを団扇代わりにして涼んでいた


上田『あの子ぐっちさんの妹ですか！？』

坂口『せやけど…手出すなよ！！』


剛史や周りにいた若手に釘を刺しておいた
練習も終わって帰ろうとしたら
Aがニコニコと待っていた


A｢さぁ、行こ！｣

坂口『汗だくやから
お風呂に入ってからでもええ？』

A｢確かに…私も汗臭いし
お風呂入ってからにしよ！｣


一緒に入る？って聞いたら
それは嫌だって返された

Aも俺もお風呂に入ってから
ご飯を食べに行った
するとAは何か
思い出したかのような顔をした


A｢はい！開けてみて｣


小さな白い紙袋を渡してきたA
見てみると小さな箱が入っていた


A｢ほらー、早く早く｣


小さな箱を出して
開けてみると俺の
背番号の数字のネックレスが入っていた


A｢お兄ちゃんの誕生日プレゼント｣

坂口『あ、今日俺の誕生日か…どうしてこれを』

A｢お金貯めて受注したんだよ〜｣

坂口『そうなんか…ありがとな！』

A｢ううん、お兄ちゃん
いつも頑張ってるもん…お礼みたいなもん｣

坂口『ほんまにありがと…明日から付けるわ』

A｢うん！無くさないでね！｣


35回目の誕生日は最高に幸せな1日でした
また来年もAと一緒に過ごしたいです

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