あなたとの距離(赤) (ページ12)

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思えば、村上さんはいつだって優しかった

世間ではガサツって言われたりうるさいと言われたりするけど、でもすごく優しくて気が利いて

すばる君と付き合う前からも付き合ってからも相談や愚痴を聞いてもらっていた

一人っ子の私にとったら村上さんはお兄さん的存在だった

「村上さんいつもありがとうございます」

村「なんやねん急に。気持ち悪いわ」

照れたように聞き流す村上さんにクスッと私は笑ってビールを飲み干した

その日はほろ酔いで解散をして自宅へ帰ると少しふらつきながらベッドへそのままダイブ。

明日休みだし、このまま寝ちゃおうかな～なんて思いながらスマホを開くとすばる君からメールが来ていた

すばる君(今度、結構大きなライブハウスでライブすることなった！)

バンドメンバーと思われる人たちとスタジオで撮ったであろう写真が一緒に送られてきて

メンバーの真ん中で楽しそうに笑うすばる君を見ていると、スマホの画面に涙が落ちてきた

すばる君は頑張ってるのに、なんで私は泣いてしまうんだろう。

「…飲みすぎたかな」

ねえ、すばる君。私の誕生日もう少しだよ