走って見つけて (ページ13)

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久しぶりにたっくんと帰れてるのに気持ちはモヤモヤしていて

たっくんも帰ろうって言ったくせにいつもより静かだしなんだか落ち着かない

大「丸と付き合っとるん？」

やっと話し出したと思ったらたっくんがそんなことを言って来た

たっくんをチラッと見ると、私を見ていて視線が交わった

「付き合ってないけど…」

大「前よりももっと仲良くなってへん？俺んとこにも来んくなったし」

たっくんは、少しムスッとした顔でそんなことを言うもんだから、意味がわからなくて私も少しムッとしてしまった

「たっくんには関係ないことだよ？」

「今日彼女さんに会ったよ。良い子そうだね。たっくんは彼女さんのことだけを考えてなきゃ」

たっくんはなぜか少し哀しそうな顔をした

私は昔からたっくんのその表情に凄く弱くて、思わず触れそうになった

でも、もう触れれない。私のものじゃないんだ。

大「関係なくないやん」

大「Aは妹みたいなもんって言うてたやん。丸と良い感じならちゃんと言うてくれんと…」

ほらね、たっくんはいつまでも私を無意識に傷つける

「…たっくん。もうやめるの」

「たっくんを好きでいるのやめるの。たっくん離れするの」

泣きそうになるのをぐっと堪えてそう言うと、たっくんは触れるか触れないかの力で私の頬に触れた

大「俺に彼女できたから？」

「たっくんが私を好きじゃないからだよ」

私がどんなにたっくんを好きでも、この気持ちは届かないって痛いほどわかった

たっくんが思ってる以上に私はたっくんのことが好きだったんだもん。これ以上一緒にいるのはしんどい。

「ごめんねたっくん。バイバイ」

気づいたら家の前で。私はたっくんに笑いかけてそう言って逃げるように家に入った

ドアを閉める間際に見えたたっくんの表情は、少し泣きそうになっていた