走って見つけて (ページ11)

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たっくんの彼女ページ11

あの後、丸ちゃんと少し気まずくなったけど丸ちゃんがいつもみたいに明るく接してくれるから私も少しずついつも通りにできるようになった。

たっくんのところに行かなくなってから3日。当たり前だけど私が行かなかったらたっくんと会うことも少なくて

寂しいなとか会いたいなとか思わないといえば嘘になるけれど、丸ちゃんが変わらずそばにいてくれて笑顔にしてくれるから思ったよりも気にしないで済んだ

「あ…」

放課後、職員室で先生に提出物を提出後に廊下に出るとたっくんの彼女を見かけた

あっちも私に気づいて、ペコっと頭を下げて私に近づいてきた

『えっと…大倉先輩の、幼なじみさんですよね』

お人形さんみたいな彼女はどうやら後輩みたいで、小さくて少し気弱な彼女はたっくんの元カノさん達とは真逆な人だった

たっくんがいつも付き合う人は、派手な人が多かったから。

『大倉先輩、A先輩のこといつも楽しそうに話すんです。良い人なんだなって思って、ちゃんとお話してみたいなと思ってたんです』

ふんわりと優しく笑う彼女に、負けたと思った

私だったら、仲のいい幼なじみを憎く思うかもしれない。大好きな人を私のものだけにしたいって思うかもしれない。

でも彼女は、たっくんの大切なものを大切に思おうとしてる。

たっくんが好きになる気持ちがわかった気がした。