天使さんと吸血鬼 ページ8
「今日、葛葉がくるんだけどいいかな？」
どうやら、今日はあの吸血鬼さんが来るらしい。
前々から、遊ぶかもーみたいな話を聞いていたから特別驚きはしなかった。
ただ、吸血鬼さん……葛葉さんと会うのは初めてだからちょっと緊張する。
身体中の毛穴という毛穴から汗が出てきそうだ。
私は、こくりと首を縦に振る。
その時、玄関のチャイムがなる。
彼が来たのだろう。
少し硬くなりながらも、玄関の方に足を進める。
「あ」
「えっと、ｯｽｰ葛葉、です…」
扉を開けたら、俯き気味の男性が居た。
真っ黒の髪に、若干白髪が混じっている。
あまりの顔の良さに一瞬驚きながらも、はっと我に帰る。
「あ、上がってください！」
あざっす、と小さくお礼を言う葛葉さんの姿に私は笑みを零した。
葛葉さんをリビングまで連れていくと、洗面所から叶くんが顔を覗かせる。
「あ、葛葉きたー？」
「遅れた、すまん」
それから、2人で駄弁り始める。
なるほど、これがてぇてぇというやつか。
2人の絡みは、改めて仲がいいんだなと実感できた。
微笑ましく見ていると、葛葉さんが口を開く。
「叶、いちごミルクある？」
「ちょっと待ってて」
「おー」
そうだ、葛葉さんはいちごミルクが好きだったんだ。
叶くんが、冷蔵庫へと手を伸ばし、「あ」と小さく声を漏らした。
「ないわ」
ない、と分かると葛葉さんは分かりやすく眉を下げる。
よし。
私が葛葉さんの笑顔のために買ってこよう。
小さく息を飲み、2人のいる方へ向かう。
「あ、私買ってきましょうか？スイーツ欲しかったし」
「Aいいの？」
「うん、私のことは気にせず遊んでてください！」
満面の笑みを2人に向ける。
カバンを手にかけた時、葛葉さんに引き止められる。
「あの、あざっす」
「……！どういたしまして！」
そう言うと葛葉さんはふ、と笑った。
え、何その笑顔守りたい。
葛葉さんと他愛もない話をしていたら、叶くんが間に割り込む。
「はい、2人でいちゃつかないでくださーい」
「いちゃ!?」
「葛葉、Aが可愛いのはよく分かる。でも、僕のだからね？」
そう言い、葛葉さんに笑顔を向ける。
いや、声。全然笑ってないんですけど。
「貰う気ねぇって……」
少し呆れながら、葛葉さんは肩を下ろす。
私はその様子を見届けながら、靴を履き替える。
話声が段々と遠くなる。
小さく息を吐き、ドアノブを静かに捻った。
▽
次、叶さんsideです…！
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うさごろう(プロフ) - あいいちさん» 遅くなってしまいすみません💦そう言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます！ (5月7日 21時) (
レス) id: c523199a4f (このIDを非表示/違反報告)
あいいち(プロフ) - もぉぉぉう！！！心臓きゅんきゅんして最高です！！私の好きな雰囲気どストライクでほんと神です！！ (2022年8月8日 5時) (レス) @page11 id: f1fad0b475 (このIDを非表示/違反報告)
うさごろう(プロフ) - ねこもどきさん» コメントと応援ありがとうございます✨自分も甘々系好きなので喜んでもらえて嬉しいです、更新頑張ります〜！ (2022年5月1日 23時) (レス) id: dbcde430d8 (このIDを非表示/違反報告)
ねこもどき(プロフ) - コメント失礼します！いつも楽しく拝見させてもらってます！私のもうタイプのシチュエーションですごく気に入ってます！これからも更新頑張って下さい応援しております！ (2022年5月1日 20時) (レス) id: 683f46d39a (このIDを非表示/違反報告)
うさごろう(プロフ) - ゆきさん» そんな風に言って貰えて凄く嬉しいです！初めての作品なので不安もあったのですが、ゆき様のお言葉のお陰で少し自信が持てました、ありがとうございます😭😭 (2022年5月1日 17時) (レス) id: dbcde430d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさごろう | 作成日時：2022年4月29日 12時
