髪 ページ7
お店を出るなり、家路を急いだ。
どうしても、叶くんに見せたいものがあるから。
帰る足を早め、玄関のドアを勢いよく開ける。
「じゃじゃーん！」
「おかえり……え、A？」
大分驚いてるようで、叶くんは3秒くらい膠着していた。
靴を脱ぎ、リビングへと足を進める。
「かなかな、びっくりしてやんの」
「そりゃぁね。髪どうしたの？」
「切った！」
「へー、すごい切ったね」
そう零し、私の髪に優しく触れる。
指に絡めたりとかしているから、少しくすぐったい。
ありゃ、あんまりお気に召さなかったか？
ソファに腰掛け、膝の上で足を揃える。
「似合ってなかった？」
「ううん、可愛いよ。僕ボブ好きだし」
まぁ、叶くんがボブ好きだって言うから切ったからね！
でも、ならどうして叶くんは少し浮かない顔をしてるのだろう。
「……変？」
「似合ってるよ？」
少し不安になり聞いてみると、いつもみたいな笑顔で返された。
なんか、はぐらかされてる気がする。
その時、叶くんが怪しく笑う。
「でもさ」
私の髪をいじる手が止まる。
一瞬にして、私の不安はさっきの笑みでどっかいった。
……あれぇ？
なんでだろ。嫌な予感がするぞ。
叶くんは、優しく私を引き寄せて後ろから抱きしめる。
そして、首筋にキスをした。
いつもよりも甘くて、溶けるような声で囁く。
「この長さじゃここに跡つけれないね？」
「……へ」
動揺して、私はソファから落ち床におしりをつける。
首筋に叩く勢いで手を当てる。
「な、な、何言ってんの！？」
ほ、ほんと叶くん何考えてんの！？
顔が赤いのが嫌でもわかる。
そんな私を見て、叶くんはいつもみたいにケラケラ笑っていた。
このやろぉ……！
「ほら、いつもは髪で隠れてたけどもう隠せないでしょ？」
「叶くんが首ばっかりつけるからじゃん！見えないところって言ってんのに……」
「跡はつけていいんだ？」
いつもみたいに余裕そうな顔をして。
叶くんは、ソファから降り、私の手首を床に縫いつける。
「え、叶く……」
「ん〜？」
……これ、ダメなやつだ。
この甘い雰囲気、絶対ダメなやつだ。
逃げようと、腕に力をいれてみるが、ビクともしない。
「ねぇ、A。キスしていい？」
「……っ、ばか」
人生で初めて、髪を切らなければよかったなと後悔した。
やっぱり、叶くんは天使の皮を被った悪魔らしい。
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うさごろう(プロフ) - あいいちさん» 遅くなってしまいすみません💦そう言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます！ (5月7日 21時) (
レス) id: c523199a4f (このIDを非表示/違反報告)
あいいち(プロフ) - もぉぉぉう！！！心臓きゅんきゅんして最高です！！私の好きな雰囲気どストライクでほんと神です！！ (2022年8月8日 5時) (レス) @page11 id: f1fad0b475 (このIDを非表示/違反報告)
うさごろう(プロフ) - ねこもどきさん» コメントと応援ありがとうございます✨自分も甘々系好きなので喜んでもらえて嬉しいです、更新頑張ります〜！ (2022年5月1日 23時) (レス) id: dbcde430d8 (このIDを非表示/違反報告)
ねこもどき(プロフ) - コメント失礼します！いつも楽しく拝見させてもらってます！私のもうタイプのシチュエーションですごく気に入ってます！これからも更新頑張って下さい応援しております！ (2022年5月1日 20時) (レス) id: 683f46d39a (このIDを非表示/違反報告)
うさごろう(プロフ) - ゆきさん» そんな風に言って貰えて凄く嬉しいです！初めての作品なので不安もあったのですが、ゆき様のお言葉のお陰で少し自信が持てました、ありがとうございます😭😭 (2022年5月1日 17時) (レス) id: dbcde430d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさごろう | 作成日時：2022年4月29日 12時
