学生女子、青春記録【名探偵コナン】 (ページ4)

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コナンside

カランとポアロのドアのベルが鳴り、客の来店を知らせる。

「いらっしゃいませ！」

看板娘の梓さんがこちらに気づき、駆け寄ってきた

「あら、Aちゃんにコナンくん。お好きな席にどうぞ」

平日の昼間ということもあり、席には余裕があった。
Aは迷うことなくカウンターに一直線に向かった

「おめーホントカウンター好きだよな…なんか理由でもあんのか？」
「別に、注文してから届くのが早いってだけ」

ハハ、ちゃっかりしてんな
すました顔で自慢気に語るAは、俺が中学3年の時に家の近くに越してきた
2つ年下の癖して、はじめから敬語なんてものは備わってなくて「おい工藤」なんて生意気な態度を取っていたけど、なんだかんだ可愛がっていたのはいい思い出だ。

「梓、アイスココア」
「ふふ、アイスココアください、ね！」

俺だけでなく、梓さんや安室さんにも同じように敬語は使わないのできっとこいつはそういう人柄なのだろう。
それでも嫌われることなく、なんならたくさんの人に好かれている。
それはきっと、こいつが人の懐に入り込むのが上手いんだろうな
俺も例外ではない

「コナンくんは何にする？」
「あ、僕オレンジジュース！」

「ふん、いつもみたいにアイスコーヒーでも飲んでろよ」

小声で言うこいつはなぜか拗ねたような顔をしている

「う、うるせー…、ところで、今日は安室さん居ないんだな」
「いいんだよあんな胡散臭いヤツ、いなくたって変わんねーよ」

「胡散臭い、なんて悲しいですね。」

「げっ」

いつの間に、なんて嫌そうな顔をするAの後ろで悲しそうに眉毛を下げる男の人は、安室透という男

彼は安室透という名前を使って、黒の組織に潜入する公安警察の人間だが、Aと話しているときの安室さんは、なぜだかひどく甘い。甘すぎる

「そんな酷いことを言う子には、アイスのサービスは無しですかね…」
「は？べつに、いらないし」

まるで思春期の娘のような反応をするAに、安室さんはなぜか満足そうな顔をしている。
なんでそんな嬉しそうなんだぁ？

「仕方ないですね…一つだけですよ」
「はぁ？頭おかしいのか？」

「ふふ、安室さんとAちゃん、兄妹みたいね！」
「あはは、そ、そうだね…」