鬼神獣に愛されてます！！

とある神獣との出会い　過去編貴方sid ページ7

『･････』

川が､流れてる｡

川の中に､傷だらけの足｡

痛い。痛い。心も。体も。

でも､逃げられない。

これしか､私に生きる術がない。

『耐え･･･なきゃ･･･』

死んじゃう。

死ぬのは怖い。死んだ先に待っているのは「無」。

何もない､真っ暗な場所って聞いた。

だったら今がまだマシ。

ここからいくらでも変われるから。

でも･･･

『いた･･･いよ･･･くるしい･･･よ･･･』

？「どうしたの？」

『っ！？』ﾋﾞｸｯ

ひ､人！？

振り向くと真っ白な服を身にまとった優しそうな男の人だった。

？「どうして､泣いているの？」

『す､すいません！！アハハ･･･』

駄目だ。またムチで打たれる。

泣いちゃった。見られちゃった。

とっさに笑顔をつくる。

バレなかったら良いけど･･･

？「無理して笑わないで､ほら､泣いて良いんだよ？」

『っ･･･！！ひっぐ･･･うわぁぁぁん！！』

初めてだった。
泣いて良いんだ。
無理しなくて良いんだ。
この人の､前では。

？「よしよし･･･大丈夫？この傷･･･手当てはしない方が良いよね･･･」

『はい･･･誰かに手当てされるなんてバレたら･･･』

？「そっか･･･僕はね､白澤｡君は？」

『私は･･･A､です･･･』

白「Aちゃんか･･･よろしくね！」

『へ？』

白「これからも､よろしくね？」ﾆｺｯ

初めて向けられた､優しい笑顔。

優しい言葉。そして･･･

『はいっ！』ﾆｺｯ

初めて向けた､私の心からの笑顔。

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