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"6月19日!今日は飛ぼうとしたら止められた!傑くんと50こ叶えることになった!"
"6月23日!買い物に行った。年齢を偽った。歳下なのに私よりもしっかりしていて強い!それに対して私は弱くて情けない。だから、本当のことは言えない。知ったらどんな顔をするかな。友達じゃ、なくなるかな。"
"7月11日!初めて、死にたくないと思った。今まで死んでもいいと思って無理も承知なことをやっていたけれど、彼と全て叶えるまでは死ねない、だからもう死ぬ行為はやめる。でも本人には言わない。だって言ったらきっと、もう会えなくなる。叶えてくれなくなる。"
それを見て、夏油は眉間に皺を寄せた。
「言ってくれればッ……!ッ…なぜ…!」
「ありがとう、あの子のために泣いてくれて。それね、もし迷惑じゃなければ持って帰って欲しいの、いいかしら?」
「はいッ…」
夏油はノートと日記を手に、Aの家を後にした。
✱
あれから2年、悟は最強になった。
祓う、取り込む、その繰り返し。
考えるな。
ただ、仕事を全うしろ。
何も__。
✱
そんな日々が続いたある日、夏油は懐かしいノートを手に取った。
あれ以来、全く触ろうともしなかった、ノート。
そこには"君としたい50のこと"と書かれていた。
何の意味もなく、ただパラパラとそのノートを捲っていく。
彼女の字を見ると、不思議と鮮明に思い出される数々の記憶。
"傑くん!"
声すらも、何もかも、夏油の記憶から消えた日など1度もなかった。
そんなとき、1番後ろのページになにか書いてあるのを見つけた。
それはえんぴつで書かれた文字だが、黒く塗りつぶされ、消されている。
けれど、夏油には見えた。
彼女の、50個目の願い事。
つまり、最後の願い事が__
____"50 君と付き合いたい"
「最後まで…叶えさせてくれよ……」
君は、本当にどこまでもずるくて、不思議で、自由だ。
そんな夏油の声は、誰にも拾われることはなかった。
しばらく、下唇を噛み締めていた夏油たが、何か決心がついたかのように、立ち上がる。
そんな彼の手には、ノートと日記が握られていた。
そして、手首にはキラキラと儚い光を放つ、あの日のブレスレットがあった。
貴女の彼氏or彼女は??
新田新
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結衣(プロフ) - コメントありがとうございます。とっても元気が出ました!更新頑張りますね!! (3月31日 19時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
えす - 続きおねがいします!!! (3月31日 18時) (レス) @page30 id: 93a8495db4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 神様さん» お返事が遅れてしまいすみません。そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります! (2月2日 16時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - 面白かったです!更新がんばってください! (1月21日 18時) (レス) @page24 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - ありがとうございます(≧▽≦)面白かったです! (1月17日 18時) (レス) @page22 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結衣 | 作成日時:2023年11月28日 19時