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「その人の名前はッ…!?」


「あ、いや…すいません、そこまで覚えてないです…」


「そうですよね、ありがとうございます」




礼を言うと、夏油は走った。


真冬だというのに、額に汗をびっしょりとかいて。










Aの家の前に。


非常識なのは分かっている。

仮に先程の話が彼女のことならば、今家に押しかけるなんて間違っている。


それでも、確かめたかった。


安心したかった。





また、いつも通りケロッと笑って、"寝坊しちゃった!"と、言ってほしかった。





チャイムを押すが、返事は無い。





鍵は開いていた。


1歩、入ると、2階から声が聞こえる。






慌てて駆け上がり、少し開いているAの部屋のドアから中を見た。





だが、そこにいたのは蹲り、嗚咽を漏らして泣いている母親だけだった。




「……」




夏油は静かに、高専へと戻った。










「お、傑もう帰ったのか?」


「てっきり朝帰りかと思った」


「硝子、それアウト」




ニヤニヤとそんな話をしてきた五条と家入。


しかし、夏油の表情を不審に思い、2人は黙った。





「……どうした?」


「…死んだんだ。Aは」






目を見開いた。






「は、なんで…」


「すまないが、詳しいことは知らない…」







そう言うと夏油は部屋へと戻っていく。


2人はその背中をただ見ていた。











翌日、ニュースは大々的に取り上げられた。



"東京都立■■高校の生徒死亡"


"高校側は虐めを無視していた!?"


"AAさん、橋から転落、その真相は__?"





名門高校である■■高校は、炎上することとなった。


けれど、夏油にとってはそんなことどうでもよかった。




ただ、許せなかった。


Aを殺した人が、Aに悪意を向けていた人が、Aを助けなかった人が。




そして、自分自身が。





その悔しさは何日経っても変わらない。


祓う、取り込む、また祓う。

取り込む呪霊の味がいつもより酷い気がした。













1週間後、夏油は再びAの家へと訪れた。



チャイムを鳴らすと、今度は母親が出てくる。




「はい」


「Aさんの友人の夏油です。Aさんに、渡したいものがあって来ました」


「…どうぞ」





ガチャリと鍵を開けてくれた母親は、ひどく痩せこけていた。


この一週間、ろくに食事が喉を通らなかったのだろう。


無理もない、たった一人の娘が死んでしまったのだから。

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貴女の彼氏or彼女は??

新田新


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設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑 , (五条悟)   
作品ジャンル:恋愛
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結衣(プロフ) - コメントありがとうございます。とっても元気が出ました!更新頑張りますね!! (3月31日 19時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
えす - 続きおねがいします!!! (3月31日 18時) (レス) @page30 id: 93a8495db4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 神様さん» お返事が遅れてしまいすみません。そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります! (2月2日 16時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - 面白かったです!更新がんばってください! (1月21日 18時) (レス) @page24 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - ありがとうございます(≧▽≦)面白かったです! (1月17日 18時) (レス) @page22 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結衣 | 作成日時:2023年11月28日 19時

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