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画面にデカデカと表示されたのは100.000という数字。
これを見た瞬間、夏油は固まった。
100点をとった張本人に目をやると『お、なんかとれた!案外採点ゆるいんだねー』なんてニコニコしながら言っている。
が、しかし。
採点がゆるい?
そんなわけない。
正直、今まで友達とカラオケに何度も行ってきた夏油だが、その数字を見たことは全くなかったし、テレビの世界でのみの話だと思っていた。
実際そうだ。
テレビに出るような歌うまだけが取れる数字であり、一般的に見れば夏油の点数だって周りが羨む点数である。
世の中にはどれだけ頑張っても、80点以上取ることができない人だって少なくないからだ。(作者とかね……)
そして何より、本人が自分の歌が相当上手いことに気づいていない。
ここ2人のレベルが高すぎる故、100点という数字は簡単に出せるものという認識になっている気がする。
数分後、夏油は熟考した言葉を言い放った。
「A、歌上手かったんだね」
本人に歌が上手いことを自覚させる、尚且つ100点というのは簡単に取れるものではないと教えようと考えた結果がこれだ。
そしてそれに対する返答はこちらだ。
『え、そう?ありがと!』
そうしてまた端末に視線を戻したAに、さすがに夏油は驚愕した。
夏油の今の感情はズバリこれだ。
え、えぇ…それだけぇぇ……!?
「だ、誰かに言われなかったかい?ほら、音楽の授業とか合唱祭とか、中学であっただろう?」
『音楽の授業はどれだけ頑張って歌っても、先生の声で消されるよ、合唱祭はやったけど、毎年伴奏だし』
夏油は何故かショックだった。
それだけの才能に今まで誰にも気づいてもらえていなかったということが。
『にしても最近私の勝率上がってきてない?傑くんが歌下手だったのはびっくりだよ!』
「いや……うん。そうだね」
下手というわけでは…と言おうとしたが、やめた。
もう彼はツッコむことをやめたのだ。許してあげてくれ。
その後も彼女は100.000という数字を何度か叩き出しており、夏油が考えることも放棄したのは、言うまでもない。
『あはっ、傑くん音程外しすぎ〜』
「君が外さなすぎるだけだよ……」
✱
神様さん!「カラオケで100点をとる」リクエストありがとうございました!
たまにはAさんの見せ場があってもいいよね!ということでこんな感じにしました!
ご期待に応えられていると幸いです…
貴女の彼氏or彼女は??
新田新
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結衣(プロフ) - コメントありがとうございます。とっても元気が出ました!更新頑張りますね!! (3月31日 19時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
えす - 続きおねがいします!!! (3月31日 18時) (レス) @page30 id: 93a8495db4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 神様さん» お返事が遅れてしまいすみません。そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります! (2月2日 16時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - 面白かったです!更新がんばってください! (1月21日 18時) (レス) @page24 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - ありがとうございます(≧▽≦)面白かったです! (1月17日 18時) (レス) @page22 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結衣 | 作成日時:2023年11月28日 19時