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「約束、しただろう…?一緒に、花火を見ようって…」
"お祭り行って、花火見て、一緒に旅行して、それから雪で遊ぶの!やりたいことたくさんある!"
つい3日前に自分が言った言葉だ。
「お祭りは、来年、必ず行こう。次は、ちゃんと、花火も見よう…!」
『うんッ…ありがと………ありがと……すぐるくんッ…!』
こんなにも自分との約束を守ろうとしてくれていることに嬉しさを覚え、Aは涙が溢れだし、止まらなかった。
「あー夏油泣かせた〜」
「A、お前色々ガマンしすぎな?ちゃんと兄ちゃんのこと頼れって」
そう言われながらわしゃわしゃと頭を撫で回される。
『うん、ありがと…さとるくん…』
✱
「手持ち花火なんて久しぶりだわー」
「俺、初めて」
「さすが金持ちは違うねー(棒)」
五条とそんな会話をしながら、家入は自分の持っている花火を五条に向ける。
五条は術式を解除していたため、"あっつ!!"と叫んでいた。
そんな様子が可笑しくて、くすっと笑ったAはまた自分の手元に視線を戻した。
線香花火がぱちぱちと音を立てて小さく輝いている。
「ごめんね、打ち上げ花火も買いたかったんだけど」
頭上から夏油に声をかけられ、振り返る。
『ううん、手持ち花火なんて私もいつぶりだろう…すっごく楽しいよ!』
「……そっか、そう言って貰えるなら私は満足だよ」
次第に、線香花火は、バチバチと大きく花を咲かせた。
「A」
『うん?』
「浴衣、すっごく綺麗だよ」
そう言って頬を撫でられる。
その瞬間、ぼとり。
大きくなっていた火の実は呆気なく落ちた。
『え、あ、終わっちゃった…!』
「ふはっ、まだあるよ、線香花火」
そう言って差し出された花火を1本受け取ると、また火が灯った。
『ねぇ、勝負しようよ』
「え?うん?いいよ」
『負けたら、罰ゲーム!』
「あぁ、構わないよ」
✱
『やったー!私の勝ち!』
2人とも、なかなかいいところまでは耐えていたのだが、最後の最後で、夏油の手がブレてしまい、火の実は落ちてしまった。
『さて、罰ゲームいきます!!』
「あぁ、はい…」
これまで散々勝負をしてきたが、Aが夏油に勝ったことは1度もない。
だから今回勝てたことがよっぽど嬉しいのか、心做しか笑顔が明るいような気がする。
貴女の彼氏or彼女は??
新田新
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結衣(プロフ) - コメントありがとうございます。とっても元気が出ました!更新頑張りますね!! (3月31日 19時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
えす - 続きおねがいします!!! (3月31日 18時) (レス) @page30 id: 93a8495db4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 神様さん» お返事が遅れてしまいすみません。そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります! (2月2日 16時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - 面白かったです!更新がんばってください! (1月21日 18時) (レス) @page24 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - ありがとうございます(≧▽≦)面白かったです! (1月17日 18時) (レス) @page22 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結衣 | 作成日時:2023年11月28日 19時