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目を覚ましたAを見て、すぐに近くに駆け寄ってくる。
「大丈夫かい…!?」
『うん、すごく元気!』
いつもの調子で言うAの姿に、夏油は胸を撫で下ろす。
昨夜は本当に心配したものだ。
夏油はAを横抱きにして高専に運び込み、家入の部屋に押しかけた。
家入は"ノックくらいしろよ"と引いていたが、状況を把握し、すぐに反転術式を施した。
その後、Aの険しかった顔が、楽になったのを確認すると、家入と共に医務室に連れていく。
「夜分にすまないね、硝子」
「それはいいけど、夏油、Aと一緒じゃなかったの?」
「少し、目を離してしまってね…」
部が悪そうに言う夏油。
家入はそれ以上聞かなかった。
✱
どうやらAによれば、トイレで襲撃に遭い、そのまま呪霊の肉に埋められ、連れていかれたらしい。
『初めてのことでビックリだし…気づいたら病院いるし突然刺されるし……私も傑くんみたいに強ければ良かったのかな』
刺された割に反応が薄いAには少々驚かされたが、本人が無事ならば、夏油はそれで良かった。
「もう絶対私の傍から離れないでくれ、それから何かあったらすぐ連絡すること、いいね?」
「親かよ」
『ふふっ確かに〜』
こちらは真面目に話しているのに…と思う。
そんな話をしていると、物凄い勢いで、カーテンが開いた。
「A!!」
『わ、悟くん!』
出会い頭にAに抱きつく五条に驚く3人。
「怪我は!?」
『もう大丈夫だよ』
「ん、良かった…お前マジで心配させんな……」
そう言いながら抱きしめる力を強める。
ごめんね、と言いながらトントン、と五条の背中を叩く。
『そんなに心配してくれると思わなかった』
「するに決まってんだろ…大事な友達じゃん…」
『んふふ〜悟くんかーわい〜!!』
あまりの五条の可愛さに、思わずAも抱きしめる。
『弟みたい!』
「いや、お前が妹だろ。馬鹿だし」
『え"…』
そんな2人を眺めていた家入が、突然夏油に耳打ちした。
「彼氏面してるアンタより、五条の方がよっぽど恋人っぽいじゃん」
いいの?Aちゃんとられるよ?と続けて言われる。
「別に、私にとってAはそんなんじゃない」
「ふーん?」
口ではそんなことを言ったものの、実際、夏油の心は曇っていた。
だが、彼がその理由を理解するのは、もう少し先の話。
貴女の彼氏or彼女は??
新田新
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結衣(プロフ) - コメントありがとうございます。とっても元気が出ました!更新頑張りますね!! (3月31日 19時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
えす - 続きおねがいします!!! (3月31日 18時) (レス) @page30 id: 93a8495db4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 神様さん» お返事が遅れてしまいすみません。そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります! (2月2日 16時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - 面白かったです!更新がんばってください! (1月21日 18時) (レス) @page24 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - ありがとうございます(≧▽≦)面白かったです! (1月17日 18時) (レス) @page22 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結衣 | 作成日時:2023年11月28日 19時