22 ページ22
そのまま取り込んだ呪霊の中から目の前にいる呪霊よりも等級が高いと思われる呪霊を2体ほど出現させ、攻撃を入れる。
結果は圧勝であり、最終的に、夏油が呪霊を黒い球状へと変形させた。
夏油はAに近づくと、ゆっくりと傷に当たらないように抱き上げ、出口へと向かう。
刺さったメスを動かさないよう、細心の注意をはらう。
『すぐ、る…くん…』
「大丈夫だ、すぐに硝子のところに連れて帰るよ。硝子は傷を治すことが出来るんだ…それから補助監と……車で迎えに来てもらうよう学校の人にお願いしたから…近くにいたみたいでね、もうすぐ着くと思うよ」
『ごめ、んね……ありがと…』
弱々しく、笑みを浮かべるAに心が締め付けられる。
幸い、Aの刺されたところは急所から外れていたため、最短で帰れば、死ぬことはないだろう。
「……すまない」
そう言うと、Aは不思議そうな顔をする。
「私が、もっと近くで待っていれば…気配で気づけたかもしれなかった…」
全部、私のせいだ。
「それに、もっと早く帰っていればこんなことにはならなかったはずだ…」
また彼女ばかり酷い目に遭う。
「気づくのも遅くなって、君をこんな目に___」
『すぐるくんは…ほんとにやさしいね…』
突然そう言われ、Aの方に視線を落とす。
『今日ね、すっごく楽し、かった…遅くまで一緒、に…いてくれて、私は嬉しい…』
「だが__」
『助けにきてくれ、て…ありがと…だから、あんまり自分を責めないで…』
その後、夏油は何も言えなかった。
しばらくして、車が到着し、Aを後部座席に横たわらせて、自分は補助監督の隣に座る。
「なるべく早くお願いします」
「分かりました」
そうして数十分後、無事高専についた。
✱
『……』
ゆっくりと目を開けると、病院のような場所にいた。
「あ、おはよ、傷の具合はどう?」
声のする方を見ると、そこには家入の姿があった。
どうやらここは、高専の医務室らしい。
家入に言われ、傷を確認するも、なんと綺麗さっぱり傷が消えている。
『あれ…えっと…』
「治したんだよ、ちょっと特殊な能力みたいなやつで」
『そっか…ありがとう、硝子ちゃん』
「いーえ」
そういえば昨日、夏油がそんなことを言っていた気がする、なんて、考えていれば、いつの間にか家入に連れられ、夏油が部屋に来ていた。
貴女の彼氏or彼女は??
新田新
88人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結衣(プロフ) - コメントありがとうございます。とっても元気が出ました!更新頑張りますね!! (3月31日 19時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
えす - 続きおねがいします!!! (3月31日 18時) (レス) @page30 id: 93a8495db4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 神様さん» お返事が遅れてしまいすみません。そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります! (2月2日 16時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - 面白かったです!更新がんばってください! (1月21日 18時) (レス) @page24 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - ありがとうございます(≧▽≦)面白かったです! (1月17日 18時) (レス) @page22 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:結衣 | 作成日時:2023年11月28日 19時