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✱
『映画面白かったね！』
「そうだね」
『けっこうドキドキしちゃった…特にあのハグシーン…私もされたい…』
隣でずっとそれについて語っているA。
ちなみに"あのハグシーン"というのは、ヒロインが隣で泣いているときに、そっとヒロインの頭に手を回して、自分の胸にぽすん、と寄せるアレである。
まさにベタな慰めシーンだ。
「そんなに言うなら彼氏つくったら？」
『こーんな不登校ガールを好きになってくれる人はいませーん』
口を尖らせながら少し拗ねたように言う。
それがまた面白くて、ついクスリと笑う。
「そうかな、いるんじゃない？」
『だといいなぁ…』
そう言いながらAが見つめる先は、どこが遠くで。
「好きになって欲しい人でもいるのかい？」
『ふふっ、そんなんじゃないよ、それに、今は君との時間を大切にしたいしね』
「そう」
その後、映画の感想会を近くのファミレスで開催し、しばらくして帰路に着く。
あたりはもう暗くなっていた。
『7月でもさすがに7時は暗いね』
「もう夜だからね、送るよ」
『……じゃあ、お言葉に甘えようかな』
いつもは断るはずなのだが、珍しく、お願いされる。
それに驚いて、自分から言ったにも関わらず、固まってしまった。
『傑くん？どうかした？』
「いや…珍しいと思ってね…」
そう言うと、Aは"確かに"、とくすくす笑っている。
『少しでも君と長くいたいって思ったの』
涼しい夜風が彼女の髪の毛をふわりと揺らす。
同時に、美しい黒髪と艶やかな笑みが、夏油の心も揺らした。
『どう？さっきの映画のセリフ言ってみたんだけど、決まってたでしょ？』
「…ははっ、そうだね」
『ホントは暗いの怖いだけだよ、あ、御手洗行ってきてもいい？』
通りかかった公園を指差すAに、ここで待ってるよ、と返し、少し離れたところで携帯を取り出した。
その間、取り出したはいいものの、携帯になど微塵も意識はなかった。
ただただ先程のAの言葉が、表情が、声が、頭の中に残り続けるだけだった。
✱
十数分経っても帰ってこないAに連絡してみるも、返事が帰って来ない。
さすがに不審に思う。
「先に帰った…は、ないか…」
そんな中、夏油の頭に最悪の状況がよぎる。
次の瞬間、夏油は走り出した。
貴女の彼氏or彼女は？？
新田新
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結衣(プロフ) - コメントありがとうございます。とっても元気が出ました！更新頑張りますね！！ (3月31日 19時) (
レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
えす - 続きおねがいします！！！ (3月31日 18時) (レス) @page30 id: 93a8495db4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 神様さん» お返事が遅れてしまいすみません。そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2月2日 16時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - 面白かったです!更新がんばってください! (1月21日 18時) (レス) @page24 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - ありがとうございます(≧▽≦)面白かったです! (1月17日 18時) (レス) @page22 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結衣 | 作成日時：2023年11月28日 19時
