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「君は……
馬鹿なのか?」
『え"』
心外、とでも言わんばかりの表情を浮かべる少女に、夏油は呆れ顔で返した。
「でもまぁ…そうだね。また今回のようなことを起こされたら嫌だから、飛ばせてあげよう」
夏油は少女に聞こえるか、聞こえないか程度の声で、呟いた。
『なに?』
「飛びたいんだろう?なら、私が君を飛ばせてあげるよ」
そう言うと夏油は手の内から龍の姿をした呪霊を出す。
少女は夏油の顔をじっと見つめ、興味を示した。
『本当に?』
「あぁ、本当さ」
✱
そして先程の状況ができた訳だ。
『それにコイツ、かっこいいね』
そう言いながら、すり、と呪霊を撫でた。
「…にしても、まさか君が見える側だったなんてね」
『うん、見える側だけど、扱えない側。1番嫌な
少女のその言葉を聞き、夏油はそうかもしれないな、なんて思った。
彼女のような見えるが、扱えないという者は、苦労が耐えないだろう。
何故なら、それに抵抗する術がないから。
低級なものでさえ、それを祓うことが出来なければ、彼らを苦しめるには十分な理由となりうる。
「…まぁ、気に入って貰えて良かったよ」
自分から出した話題ではあったものの、夏油はそれとなく話題を逸らした。
✱
『ありがとう、とっても楽しい時間だったよ』
「もう、死ぬようなことをしちゃだめだよ」
『んーそれはわかんないよ』
「えぇ…」
夏油はやはり彼女が理解出来なかった。
そんな夏油に向かって彼女は言う。
『だって私は好奇心に従うのみ、だもの。私が飛びたいと思ったら飛ぶし、死後の世界が気になったら死んでみるよ』
「君は…危なっかしい人だね…」
『ふふっ、そうかもね』
先程の大人な雰囲気とは違う。
その姿はただ、楽しいを追求する子供の姿に見えた。
そして、いきなり彼女が、あ、と大きな声を漏らす。
『ねぇ、すっごくいいこと思いついた。君が、私のやりたいこと、手伝ってよ』
その言葉を聞いて、夏油は驚いた。
まさか、そんな依頼を頼まれるとは思っていなかった。
自分はただ、呪霊討伐に派遣されただけである。
だが既に、夏油の結論は決まっていた。
「…嫌だけど?」
貴女の彼氏or彼女は??
新田新
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結衣(プロフ) - コメントありがとうございます。とっても元気が出ました!更新頑張りますね!! (3月31日 19時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
えす - 続きおねがいします!!! (3月31日 18時) (レス) @page30 id: 93a8495db4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 神様さん» お返事が遅れてしまいすみません。そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります! (2月2日 16時) (レス) id: df2d4255b1 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - 面白かったです!更新がんばってください! (1月21日 18時) (レス) @page24 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
神様 - ありがとうございます(≧▽≦)面白かったです! (1月17日 18時) (レス) @page22 id: 9fd19e5354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結衣 | 作成日時:2023年11月28日 19時