あなたが教えてくれた【橙】2 (ページ19)

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橙side

「俺のせいですね、、。Aちゃんが母親と会ってしまったんは。」

冨岡「向井くんは何も悪くないよ。今ここで会わなくても、いつか会ってしまってたかもしれない。それにあいつがここで暴れてくれたおかげで警察に捕まったから、むしろ良かったよ。」

そう言って咲さんは俺に微笑みかけてくれた。

冨岡「あの子の母親はね、私の姉なの。」

「え、、?!」

冨岡「だから、Aは私の姪っ子ってこと。Aには言ってなかったんだけどね笑」

「そう、、やったんですか。」

冨岡「まぁ姉は高校中退して親に勘当されて家を出ていったから、どこで何してるかなんて分からなかったけどね。でも、ある日親から連絡があってね。姉が子供に虐待して捕まったって。その後、一度だけ施設に行ったことがあるの。姉の子がどんな子か気になって。同じ施設の子の髪の毛を縛ってあげてるとこを見たの。姉は最低だったけど、この子は優しい子なんだって思った。でも当時は自分の生活でいっぱいいっぱいだったし、姉のことが嫌いで、何で私が姉の尻ぬぐいをしなきゃいけないの、って思ってたから引き取ろうとしなかったんだけどね、、、。でも、悪いのは姉であって、Aは何も悪くない。そう思って施設長に頼んで定期的にAのこと教えてもらってたの。学校で何をしてるかとか、どんな進路に進むかとか。美容師を目指してるって聞いた時は驚いた笑。晴れて美容師になれたって聞いて、私の店に入ってもらうことに決めたの。姉がAを傷つけた分、私が守ってあげたいって思ったから。」

咲さんは目に涙を浮かべながら今までの思いを話してくれた。

冨岡「だからね、Aには幸せになってほしい。笑っててほしいの。」

「咲さん、、、。」

冨岡「だから向井くん。Aのことお願い。幸せにしてあげて、、。」

咲さんは真っ直ぐ俺の目を見てそう伝えた。

「はい。絶対に守ります。幸せにします。」

冨岡「でも、、彼女の母親が犯罪者って知られたら、向井くんに迷惑かけることになるよね、、。」

「大丈夫です！Aちゃんは何も悪くないですから。そんな事気にしないですから！」

冨岡「ありがとう、、、。」

Aちゃん。

今まで辛かったよな、、。

もう二度と傷つけんから。

絶対守るよ。