偶然から始まる恋【まふまふ】【歌い手】 (ページ6)

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五回目の偶然ページ6

さっと青ざめながら、早歩きで玄関へと向かう。
それはもう、かなりの全速力で。
すると、ガチャっというドアの開く音が聞こえた。

・・・え？

突然のことで素っ頓狂な声を上げてしまった。
奥には、そらるさんの姿がある。
すごく、焦っているような様子だ。

「あ、まふまふ！？よかった・・・」
「え、えっと・・・どういう状況ですか」

状況がよく分かっておらず、混乱している。

「いや、ドアフォンを二回押したけど反応なかっただろ？
　だから何かあったんじゃないかと思って。
　それで試しにドア開けてみたんだよ」

なるほど、そういうことか。
それを聞いて、理解することができた。

それと同時に、僕がぼーっとしていたせいで、
そらるさんに余計な心配をさせてしまったことに対して申し訳ない気持ちになった。
待たせてしまっていたことについても、謝らなければ。

「すみません、お待たせしてしまって。
　それに、心配かけてしまって・・・」

「いや、気にすんなって。
　倒れてるとかじゃなくって、安心したよ」

そらるさんはそう言って微かに笑った。
本当、いい人すぎる。

「あ、そういえば。」
　
そらるさんがふっ、と何か思い出したようにポツリと声を漏らした。

「何ですか？」
「ドア開けれたってことは、鍵開いてたってことだよな」
「あっ・・・」

よくよく考えてみると、確かにそうだ。
昨日、ダンスのことで頭いっぱいになって、
閉めるのを忘れてしまったのだろうか。

「危ないだろうから、今後気をつけて。
　・・・それじゃ、そろそろ打ち合わせ始める？」
「はい！」

そして、リビングへといき、打ち合わせを始めた。