221話 ページ5
マサイside
＿＿＿＿｢おはよう｣
そう言って、寝起きのまま微笑んだAが可愛すぎた。
朝食も弁当も頑張って作ってよかった。
嫌な仕事も、全部頑張れる。
その一言に尽きる。
｢ありがとう｣と俺を抱きしめる、その仕草に、笑顔に、全てに、ドキドキしてしまう俺。
＿＿＿＿いつも、体のどこかでAを求めてる。
小さな手を握りたくなる。
華奢な体を抱きしめたくなる。
柔らかい髪に顔を埋めたくなる。
その形のいい唇に触れたくなる。
…ああ、ダメだ。
抱きしめられただけじゃ足りない。
小走りに一度来た道を戻って、ドアをガバッと開けて、びっくりした様子で玄関で俺を見たAに唇をそっと重ねた。
急に後頭部に手を回して引き寄せると、ピクンと小さく震えるAが愛しい。
マサイ｢…行ってきます｣
俺は、ゆっくりと離れて言い、無言でコクコクと驚いたように頷いたAを確認して、慌てて飛び出した。
＿＿＿＿今すぐにでも。
エレベーターで1人になった瞬間に、そんな言葉が言葉を過ぎる。
今すぐにでも俺は、Aと結婚したい。
Aを見た瞬間に恋に落ちた時から、ずっとしたかった。
Aとひとつの家庭を築けたら、どんなに幸せだろう。
きっと、それ以上は何もなく、それ以外はなにも望まなくなるだろう。
唇にさっきまで感じていた温もりを、感触を、手の甲で感じながら、エレベーターを出て車に乗った。
＿＿＿＿朝なのに、夕方のような日の中、俺はハンドルを切って仕事に向かった。
薄紫色の空から、零れ落ちた銀色の雪に、思わず見惚れる。
すげえ、綺麗。
そのうち雪が涙に見えてきて、
ふと昨日の夜を思い出した。
＿＿＿＿あの時、シルクの思いを聞いた時、涙が我慢出来なかった。
シルクの熱い思いには、やっぱり敵わない。
幼馴染みとしてAを思う気持ちが、シルクらしい。
あいつの言葉で聞けてよかったな。って強く強く思うんだ。
そんなシルクも、｢結婚式呼べよな｣ってからかって来たりして。
…結婚って意外と間近にあるのかもしれない。
なんて少し思った。
＿＿＿＿俺に、Aを幸せに出来るのか。
＿＿＿＿俺に、Aの夫は務まるのか。
＿＿＿＿俺に、AはAの全てを預けてくれるのか。
正体の分からない、謎の不安と葛藤と愛とが混じりあって
俺の白い息が、車内に溶けた。
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しーた - 作品も作者さんの事も本当に本当に大好きな気持ちが、どうか伝わるといいな。いつかどこかで、作者さんとお話出来る機会がありますように。この大好きな場所に、また、読みに帰ってきますね。本当に本当にありがとうございました。大大大好きです。 (2021年8月5日 20時) (
レス) id: ac5baedf72 (このIDを非表示/違反報告)
しーた - 私達の青春と共にキラキラと輝いて過ごしてくださり、本当にありがとうございました。親友とシェアし合って読んだ日も、悲しい事があった時に読んで心に寄り添って貰えた日も、一生忘れることの無いかけがえのない宝物です。ずっと、ずっとずっとずっと大好きです。 (2021年8月5日 20時) (レス) id: ac5baedf72 (このIDを非表示/違反報告)
しーた - 私もここで親友と作品を作る事がありましたが、そのきっかけも全てこの作品でした。親友に学校で今めっちゃハマってるのがあって…と話した時、親友も全く同じこの作品にハマってると意気投合した時の事を、今でもはっきりと覚えています。 (2021年8月5日 20時) (レス) id: ac5baedf72 (このIDを非表示/違反報告)
しーた - またいつかこのページを見た時に、私のコメントが目に留まりますように。作者さんの描いた彼らが生きていたように、私たちの中でも作者さんと作品たちはこの先もずっと生きています。大好きです。ほんとうに。 (2021年8月5日 20時) (レス) id: ac5baedf72 (このIDを非表示/違反報告)
しーた - 中1だった私はもう高3になって、あの頃とはまた違う視点で読む事が出来て、何度読みながら泣いたことか…笑この作品を思い出すと同時に、作者さんも元気にしているかな…と、私の頭の中は一昨日から作者さんの事でいっぱいです。笑 (2021年8月5日 19時) (レス) id: ac5baedf72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gray22
| 作成日時：2017年2月6日 0時
