173話 ページ44
シルクside
＿＿＿＿｢シルクは今、私のことをどう思ってるの｣
Aを寝かせた今も、頭の中でリピートされるAの優しい声。
何を理由にこんなことを言ってきたのかはわからない。あの様子だと、多分本人も分かってない。
＿＿＿＿なのに、もっと分からないのは、涙が勝手に出てきたこと。
溢れるとまではいかないが、なんだか出てきた。
きっと、絵里の気持ちに答えることが出来そうにない俺がいることに、気づけないでいたことが悔しかったんだと思う。
俺のことをずっと待っていてくれる絵里。
もう戻ってこない15年間の片想いのA。
選ぶことが出来ない自分の惨めさに、耐えられなくなったんだ。
情けなすぎる、涙が止まらない。
＿＿＿＿酒を片手に1人で俯いていると、俺の涙を引き止めるように鳴ったのは、ケータイの着信音。
画面を見ると、《絵里》の文字。
…なんでこんな時に。
タイミング悪すぎる。
そう思いながらも、この気持ちを誰でもいいから話したかった。
＿＿＿＿絵里『もしもーし、あ、出た？』
シルク｢もしもし｣
俺が答えるだけで、絵里は｢…泣いてる？｣とすぐ気づいた。
絵里『…今どこ？』
シルク｢家｣
絵里『一人？』
シルク｢…｣
絵里『…いるの？A』
＿＿＿＿何でわかるんだ。
…絵里に嘘なんて、付けるわけがない。と改めて思う。
シルク｢…いる｣
絵里『馬鹿だよね、好きなのにそういうことするから辛くなるんでしょうが笑』
俺のことが好きなのに、そうやって気遣う。
ほっときゃいいのに、そうやって俺に構うから、俺がその優しさに甘えるんだ。
シルク｢ごめん｣
絵里『なんで謝るの？』
途端に優しくなる絵里の声。
シルク｢…俺よく分かんなくて
どうしたらいいんだろうな。
…俺でも泣いてる理由わかんねぇからさ｣
絵里『うん』
絵里は、それ以上言うこともなく、相槌を打つこともなく、俺の話を聞き続けた。
＿＿＿＿不思議と、柔らかい気持ちになる。
一時間くらい話したと思う。
気持ちが落ち着き始めた時、俺の部屋の時計が0時を知らせた。
絵里『もう12時だね』
シルク｢うん｣
絵里『初めて、シルクの弱いとこ見られたかな』
絵里はそう言って電話の向こうで笑う。
シルク｢そうだっけ｣
絵里『そうだよ。泣くなんて思わなかったし笑
私は嬉しかったけどな。
じゃあ…おやすみ。』
電話が切れた後、涙が止まっていることになかなか気づかなかった。
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クレラップ - 149話のモトキの対応w (2018年9月23日 23時) (
レス) id: 246ba15d53 (このIDを非表示/違反報告)
aoringoleaf(プロフ) - モトキ最高すぎるw (2017年5月6日 3時) (レス) id: 9145b6e391 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - senaさん» 遅れましたありがとうございます！やまかみさんっていうイメージでした笑 勝手に笑 これからも宜しくお願い致しますね！ (2017年1月14日 9時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
sena - 続編おめでとうございます!!! お気に入り200人突破おめでとうございます!!! これからも、gray22様のペースで頑張ってください(*´`*) “ やまうえ ”だと思ってました..(笑) (2017年1月9日 16時) (レス) id: 337685e465 (このIDを非表示/違反報告)
gray22 - ぬこまろ。@柊樹。さん» ありがとうございます！待ってますよ(^^♪ (2017年1月7日 9時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gray22
| 作成日時：2016年12月14日 23時
