170話 ページ41
マサイside
＿＿＿＿社長は、｢めでたいね初々しいね｣と散々俺らを茶化した後、ゆっくりとした足取りで消えた。
ちらりと山上さんを見ると、すっかり笑顔の抜けた顔で、社長の後ろ姿を見つめてる。
俺はちょっと言動が信じられなくて、手を握りしめたまま言った。
＿＿＿＿マサイ｢…やめてもらっていいですか｣
俺が言うと、山上さんはゆっくりと振り向いて、俺を見上げた。
＿＿＿＿山上｢忘れたとは言わせない｣
俺はその言葉に耳を疑う。眉間にシワを寄せて、言葉に聞き入った。
山上さんの目が、しっかりと突き刺さるように俺の目を捉えた。
山上｢私の下の名前知ってますか｣
マサイ｢いや…知らないですけど｣
俺が苛立ちながら答えると、
＿＿＿＿山上｢愛華｣
その言葉を遮るように山上さんは続けた。
マサイ｢…あっ｣
｢愛華｣その名前ですぐに蘇る。
淡い記憶。
中学生の時、同じ科学部で唯一の女子部員だった、山上愛華さん。
思い出はこれといってなかったけど、たった一人の女子部員だったからか、よく覚えていた。
…でも、おかしすぎる。
＿＿＿＿当時とは見た目が違いすぎる。
当時は、もう少しポッチャリしていて、メガネで、なかなか冴えない感じがあった。
それに比べて、今は、かなり痩せて化粧もするようになって、オシャレにも気を使っているようだ。
愛華｢驚くのは当然ですよね。仕方ない。あの時の私は醜かったから。｣
マサイ｢…いや、そんなこと｣
愛華｢いいんです。気遣わなくて。私頑張って努力してここまで変わりましたから。｣
＿＿＿＿正直、驚きで言葉が出ない。
でも、それとこれとは別。
俺と付き合ってるなんて嘘、つく理由はそこには無いのだから。
マサイ｢でも、なんであんなこと言ったんですか。嘘つく必要無くないですか｣
俺が尋ねると、山上さんはそれ聞きますかと言いながら、項垂れた。
＿＿＿＿愛華｢ずっとマサイくんの事が好きだったからに決まってます。｣
目力同様、突き刺さるような言葉。
＿＿＿＿愛華｢中学生の時から、大人しくて地味で、運動が出来るわけでもないけどすっごい優しくて。そんなマサイくんが好きでした。
同じ部活で誰よりも傍にいたのに、見向きもしてくれない事が悔しくて悔しくて、ここまで変わったの。
なのに、同窓会でも全然気づいてくれなくて。
偶然同じ会社に入って、興奮のあまり話しかけても素っ気なくて。
…私、ずっとずっと悔しかったの！｣
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クレラップ - 149話のモトキの対応w (2018年9月23日 23時) (
レス) id: 246ba15d53 (このIDを非表示/違反報告)
aoringoleaf(プロフ) - モトキ最高すぎるw (2017年5月6日 3時) (レス) id: 9145b6e391 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - senaさん» 遅れましたありがとうございます！やまかみさんっていうイメージでした笑 勝手に笑 これからも宜しくお願い致しますね！ (2017年1月14日 9時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
sena - 続編おめでとうございます!!! お気に入り200人突破おめでとうございます!!! これからも、gray22様のペースで頑張ってください(*´`*) “ やまうえ ”だと思ってました..(笑) (2017年1月9日 16時) (レス) id: 337685e465 (このIDを非表示/違反報告)
gray22 - ぬこまろ。@柊樹。さん» ありがとうございます！待ってますよ(^^♪ (2017年1月7日 9時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gray22
| 作成日時：2016年12月14日 23時
