68話 ページ25
マサイside
＿＿＿＿突然始まったデートに、最初は少し戸惑ってた。
けど今は、凄く楽しい。
隣にAさんがいて、俺に向かって笑いかけてくれることが、どれだけ俺の胸を締め付けることか。
＿＿＿＿｢カメいっぱい｣
好きなカメが沢山いることに、あからさまに喜ぶ姿も可愛くて、思わず俺の顔はほころぶ。
マサイ｢あれ、Aさんに似てますね｣
俺が恥ずかしさを紛らわすように言うと、Aさんは俺を少し驚きながら見上げて、
｢嬉しいような嬉しくないような｣
と笑う。
マサイ｢あっ、いや、全然…全然褒めてます｣
｢ありがとうございます｣
Aさんは俺にぺこっと頭を下げた。
＿＿＿＿俺は気づけばいつもAさんに振り回されてる。
感情が豊かなAさんの、新しい1面を見る度に、また好きになっていく。
＿＿＿＿｢あ、カメのキーホルダー｣
俺達は1通りカメを見ると、カメのお土産コーナーに来た。
Aさんは、キーホルダーを発見してとても欲しそうに眺めてる。
マサイ｢買うの？｣
｢うーん、いいかな｣
マサイ｢そっか｣
Aさんは少し名残惜しそうに、キーホルダーを戻した。
…何で買わないんだろう。
｢私ちょっとトイレ行くね｣
マサイ｢うん｣
少し不自然なAさん。
すげえ心配なんだけど。
俺はひとりになって、もう1度キーホルダーを眺める。
＿＿＿＿マサイ｢…おそろいとか｣
思わずひとりなのに声に出た。
おそろいで持ったりしたいのかな、Aさん。
女の子ってそういうの好きそうっていうか、学生の時、結構みんなしてたような気がする。
…まあ、きっと嫌ではないはず。
俺、そういうの疎いからわからないけど、Aさんとならやりたいし、喜んでくれるならそれが一番だし。
＿＿＿＿気づけば俺は、そのキーホルダーを2個片手に握りしめて、レジに並んでいた。
綺麗にラッピングされた2個の包みをリュックにしまっていたら、ちょうどAさんが帰ってきた。
｢ごめんね、おまたせ。他のところも回ろう｣
マサイ｢大丈夫。行こっか｣
トイレから帰ってきただけなのに、可愛くて仕方ないと思ってしまう俺がいて、
珍しくAさんから、手を握ってきて、俺の胸はまた小さく高鳴る。
＿＿＿＿早く、キーホルダー渡したいな。
俺は少し心を踊らせて、少し前を楽しそうに歩く、Aさんの後ろ姿を見つめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 425人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆ - だほちゃん結婚してから読むと、ちょっと胸が痛いですw無理にテンションあげとかないと泣いちゃいそ。 (2020年1月26日 22時) (
レス) id: cc16102f38 (このIDを非表示/違反報告)
出雲 晴留(プロフ) - gray22さん» すみません…最近フィッシャーズ関連見るようになったので、最初の方から見させてもらってます(^o^) 無理はしないでくださいね(￣^￣) これからもドキドキ、そして、感動させてもらいます！(*^◯^*) (2017年1月8日 21時) (レス) id: a897dc61cf (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 出雲 晴留さん» 返信遅れました！泣かれたのですか！…嬉しすぎます。そんなに感動して頂けると聞けば、もっと頑張らなくてはと思います。体の心配でもありがとう！頑張ります！ (2017年1月8日 19時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 名無し89569号さん» 細かい分析ありがとうございます！深く読んで頂けてるのですね…感動です。これからも宜しくお願い致します！ (2017年1月8日 19時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - senaさん» 返信遅れました！こちらにもコメントありがとうございます！読みやすいようで安心しました。頑張ります！ありがとう！ (2017年1月8日 19時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：gray22
| 作成日時：2016年8月24日 18時
