62話 ページ18
マサイside
＿＿＿＿Aさんをそっと横に寝かす。
俺のパーカーをAさんにかけてやると、Aさんは俺のパーカーに顔を埋めた。
…やっぱり可愛い。
Aさんは体をまるめた。
＿＿＿＿｢マサイくんの匂い｣
俺も早く寝ようと思って、背中を向けて寝ようとすると、確かにAさんはそう言った。
マサイ｢起きたんですか｣
俺は振り返ってAさんに聞いてみる。
｢うん｣
Aさんは、さっきより少し酔いが覚めたようで、まだうっとりしたままの目を俺に向ける。
キュン
無防備な姿に俺の胸はまた締め付けられた。
｢皆は？｣
マサイ｢…一階｣
｢…うん｣
Aさんは眠そうにまたパーカーに顔を埋める。
マサイ｢…酔ってる？｣
｢酔ってない｣
マサイ｢…絶対酔ってるよね｣
｢酔ってない｣
そう言い張るAさんだけど、やっぱり酔っているっぽい。
俺が一つため息をついて、もう1度横になる。
＿＿＿＿｢好き｣
俺は驚いて飛び上がった。
後ろから、今、好きって。
知っていても突然言われるとびっくりする。
俺の胸は更にドキドキと高鳴り始めた。
＿＿＿＿マサイ｢俺も好き｣
聞こえているかわからないけど、とりあえず返事をする。
｢…うん｣
Aさんは、花火大会の時みたいに、後ろから俺に抱きつく。
トクン
その可愛い仕草にまだ俺は慣れない。
背中からきたから、Aさんの顔が見えない。
＿＿＿＿ちょっとだけ見てもいいよな。
俺はそう思いながら、Aさんの腕の中でそうっと、向きを変えて、Aさんと向き合うような形になる。
え
＿＿＿＿マサイ｢寝てんじゃん｣
俺は思わず声に漏らした。
Aさんは俺に抱きついてすーすーと寝息を立てて寝ている。
＿＿＿＿やっぱり凄い綺麗な顔してんな。
俺のパーカーに顔を半分くらいうずめて、俺のTシャツの腹あたりをしっかりと掴んでいた、小さな白い手。
愛しい。
俺はそっとAさんを抱きしめた。
俺のパーカーの匂いとAさんの甘い匂いが混じりあって、なんとも言えない。
月明かりもちょうど良く明るくて、俺の胸もちょうどよくうるさい。
すーすー
小さく聞こえる寝息が心地よくて、
俺はAさんを抱きしめたまま、そっと目を閉じた。
＿＿＿＿マサイ｢俺の方が多分ずっと好きです｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 425人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆ - だほちゃん結婚してから読むと、ちょっと胸が痛いですw無理にテンションあげとかないと泣いちゃいそ。 (2020年1月26日 22時) (
レス) id: cc16102f38 (このIDを非表示/違反報告)
出雲 晴留(プロフ) - gray22さん» すみません…最近フィッシャーズ関連見るようになったので、最初の方から見させてもらってます(^o^) 無理はしないでくださいね(￣^￣) これからもドキドキ、そして、感動させてもらいます！(*^◯^*) (2017年1月8日 21時) (レス) id: a897dc61cf (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 出雲 晴留さん» 返信遅れました！泣かれたのですか！…嬉しすぎます。そんなに感動して頂けると聞けば、もっと頑張らなくてはと思います。体の心配でもありがとう！頑張ります！ (2017年1月8日 19時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 名無し89569号さん» 細かい分析ありがとうございます！深く読んで頂けてるのですね…感動です。これからも宜しくお願い致します！ (2017年1月8日 19時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - senaさん» 返信遅れました！こちらにもコメントありがとうございます！読みやすいようで安心しました。頑張ります！ありがとう！ (2017年1月8日 19時) (レス) id: 11b868ed81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：gray22
| 作成日時：2016年8月24日 18時
