【鬼滅の刃】ヒトを殺す者 (ページ13)

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第11話ページ13

「岡田、下がっていいよ」

「はい、それでは失礼します。」

ここに私を運んでくれた隠は岡田と言うらしい。とても礼儀正しく、最後に親方様と私にペコッと会釈して部屋を出ていった

「お久しぶりにございます、御館様

この様な姿でのご挨拶お許しください。」

「大丈夫、無理しないで、そのままでいいよ」

「ありがとうございます」

あの戦いの末できた傷により、全身包帯だらけの私は動くことは勿論、起き上がっているだけでも傷に響く

それを見越した御館様はそのままで大丈夫とおっしゃられ、私はそのお心遣いに感謝し、感謝の意を述べる

「そういえば、羌がここに来た時もこんな感じだったね」

御館様は私の布団の隣に正座で腰を下ろすとそんなことを言った

そういえばそうだったかもしれない。あの時も全身包帯だらけの重症患者だった

「はい、ですがあの時よりはまだマシです」

「ふふっ、そうだったかな」

御館様の上品な微笑みも、優しい言葉やホワホワとした感情にさせるこの声色も、あの時と全く変わらずここに存在している

唯一変わったのは、やはり病が顔などに出始めたことだろうか

額から左目にかけての病の進行がなんとも痛々しく、心苦しいものか...もう少ししたら...

「もう少ししたらこの右目も見えなくなるだろう」

「!!」

「自分の体の事だからね、わかるとも

私はもう21...

だから羌、そんな悲しい顔をしないでおくれ。」

そんなことを言われましても、御館様

貴方の方が悲しい顔をなさっています。本当は笑顔の似合う御方なのに...

私にあまね様を紹介した時や、ご子息、ご息女様がお生まれになったときも

御館様はとても嬉しそうに私に報告してくださるその姿はとても微笑ましく、無表情だった私の滅多に上がらない頬の筋肉も仕事をした程です

ああ、何故この御方なのだろう。鬼なんてものがいなければ御館様やあまね様、きりや様にかなた様、ひなき様、にちか様、くいな様も...

いや、これ以上は御館様や歴代の産屋敷家の方々に失礼だろう

それよりもその事の原因である奴を倒さねばなるまい

ならばそれをただ全うするのみ。

___産屋敷家の剣として