第6話 ページ8
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あの後素直にパンを貰い、少しだけミツヒデさんと話した
「そういや君はなんであんなに生き急いでたんだ？」
いや、別に生き急いでいた訳では無いのだが、説明が面倒臭いな...
「面倒臭そうな顔をするなよ...」
「いえ、説明が難しくて...そうですね...
一言で言えば、癖です」
「く、癖？！」
癖、それは事実であった。しかし、それを知らないミツヒデさんはかなり驚いていた
「はい。幼い頃から格闘術を学んでいまして、ここに来てから剣だけに集中するつもりでいたのですが気づけば丸太の前に立っていて...」
「そ、そうか...誰に習っていたんだ？」
「父に...」
「へえ...いい親父さんだな」
そう言われたのは初めてだった。この事はあまり誰にも話したことはなかったが父を褒められているような気がして嬉しかった
「じゃあ休憩しなかったのは何でだ？疲れるだろう」
休憩しない事には慣れているし、疲れていても動かなければ怒られる気がしてずっと動いていたが
一番の理由は
「休憩しても1人でいるので時間が長く感じられて休憩していた気でいました。
まあでも休憩しなくても動けるので大丈夫です」
そう言い切ると、頭に衝撃が走った。どうやらミツヒデさんのチョップが脳天に当たったようだった
「...痛い」
「お前まだ反省してないのか？！」
「いえ、反省しましたって」
「ならばよし。だがな、もう一度言うがちゃんと休憩は取れ！お前が倒れて心配する奴はいるんだからな！」
そう真剣な目で言われて頷かない奴がいるだろうか、否、いない
「...はい！」
「よーし、じゃあ朝まであと少しだ頑張ろう」
「え、ミツヒデさん戻らないんですか？」
「何を言う！お前一人でここは寂しいだろ？」
「...そうでもありませんよ」
翌日早朝に来た先輩によって2人とも正座で怒られたのは言うまでもない
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作者名：戦力外 | 作成日時：2019年12月8日 20時
