第3話 ページ5
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だからだろう。目上の先輩にこう言ってしまったのだ
「...あなたは私の親でもなんでもないでしょう。ですからあなたに指図される筋合いはありません」
この発言がいけなかった。しまったと思ってももう遅い。先輩は何時にもなく冷たい目で私を見下ろし、私の腕を掴みある方向へと有無を言わさず歩き出した
連れてこられたのは兵舎の地下にある牢屋。ここは騎士団基地なので使われることは滅多にないとされていたところだった
「...一体何を」
「...」
無言で牢の扉を開け、そこに私を入れる先輩。鍵をかけ牢越しに先輩はこう言った
「...罰として夕飯は無しだ。明日の朝にもう一度来る。それまでにその小さい脳味噌冷やしておけよ」
そう言って先輩は去っていった。ギィと扉が閉まり、静かな空間が私を包んだ
長年使われていないだけあって埃っぽく、壁と天井の間には蜘蛛の巣が大量発生していた
場所が地下ともあり少し肌寒く、今は夕方なので夜になればもっと気温は下がるだろう
先程まで木刀を振って汗をかいていたせいか汗が冷えて寒く感じる
それに追い打ちをかけるように夕食抜きとは流石にキツい。食べ盛りの子供にそれは拷問に近かった
静かな空間にぐぅ〜と私のお腹の音が鳴った
考えれば考えるだけお腹が減る気がしてきた。よし、考えないようにしよう
それにしてもここは松明がないらしく唯一の光だった小窓も日が暮れればその意味を無くす
そして地下牢から光が消えた
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作者名:戦力外 | 作成日時:2019年12月8日 20時