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第25話 ページ27

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「両者そこまで!!!」


「「!!」」



お互い睨み合っていると廊下の方から馬鹿でかい声で止められた



声がした方向に目を向けるとそこには最年少薬剤師のリュウと大声を出した張本人 ミツヒデ・ルーエンが腕をくみ、仁王立ちで立っていたのである



優しく笑顔が似合う彼にしては稀に見る真顔でこちらを見据えていた。彼が真顔である時というのはかなり怒っている証拠...



その後ろに控えているリュウは彼が大声を出したからか、はたまた真顔で怒っている姿を見てかはわからないが酷く驚いた様子で彼を見ていた



その彼はコツコツと靴底を鳴らしながら2人、というかアルに近づいてきた



そのアルの前で止まるとその頭に拳骨を1発振り下ろした



「いっ!!....」



1発でも食らったら頭骨が割れそうな鈍い音が食らっていないオビの顔を青くした。痛みを想像し、思わず自身の頭を摩るオビ



「アル」

「...はい」

「お前、何故俺が今怒っているか分かるか?」

「オビ殿に刃を向けたことです」

「違う」



ピシャリと否定するミツヒデは拳骨をする代わりに今度はアルの両頬をつねった



「...ひやゆきどのをえひゃにおひどのをひょうはふひたことえふ(訳:白雪殿を餌にオビ殿を挑発したことです)」

「違う」



またもや違うらしく、つねった頬を今度は横に伸ばし始めた



「...?わひゃえまへん(訳:分かりません)」

「オビを疑った事だ」



その場に居たもの全員がその言葉に息を飲んだ



「お前が休暇を取った数日後、俺達は白雪に出会った。そしてそれから1ヶ月も経たないうちにオビが伝令役として配属された

それから半年後、お前が帰ってきて今に至る

その半年のうちに殿下はオビの手網を離さないことを心に決めている。それだけオビを気に入ったという事だ」

「....」

「お前のその行為は殿下を疑うも同然のものだが、それでいいのか?」

「...」



アルの頬をつまんでいた手はいつの間にかとれていた。目を少しだけ見開き、何を思ったのか下を向くアル



ナイフをしまい、オビの方へスタスタと近付き残り2mという所で足を止めた



ピシッと足を揃え、上体を少しずつ下げていく



「...すみませんでした」



突然頭を下げ、謝るアル。先程までの警戒はどこに行ったのやら



頭を下げていて表情はわからないが、綺麗な角度で頭を下げる姿には反省の色が見て窺える



しかし、被害者の筈のオビはこの場でただ1人困惑していた

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作者名:戦力外 | 作成日時:2019年12月8日 20時

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