第22話 ページ24
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王城、訓練場にて___
アルに連れて来られた場所、そこは言わずもがな訓練場。だが、本命は違う場所にあるらしく移動した先は訓練場の隅
そこには丸太が何本か地面に刺さっており、その他の脇に転がっていた丸太は酷い有様になっている
そこまできて、オビの背中に嫌な汗が伝った
一緒に連れてこられたミツヒデはどこか遠い目をしている
「...ミツヒデさん、これって...((ﾋｿﾋｿ」
「...アルの...私物だ((ﾋｿﾋｿ」
まさかの私物。それに驚きを隠せないオビは声を出しそうになったが寸前のところで堪えた
すると、バキッと音が鳴った
びっくりしてそちらに目を向けるといつの間にか稽古着に着替えたアルが、この前の武術大会と同じ構えから丸太を蹴っていた
ヒュッ、バキッ
ヒュオッ、ガッ
ザッ、ダンっ
凄まじい勢いで丸太に蹴りを入れていくアルに、その光景を見て呆然とするオビ
ミツヒデがため息をついてからやれやれと言ったふうに口を開いた
内容はアレをいつから続けているのか、騎士になってからも何故やっているのか等々、今オビが気になっているであろうことをざっくり話した
それを聞いたオビは何故か納得がいったような顔をした
「あれを何年も続けた結果があの威力なら納得が行きますね
そりゃ蹴られたとこが痛いわけだ」
平然とした顔で報告するオビにミツヒデは驚く程の速さで振り向く
「医務室行って薬貰ってきた方がいいだろそれ!!」
「いやいや、大丈夫ですよミツヒデさん」
「いや、ダメだ！あいつの蹴りは!!」
「ダメってどういうって...えぇ....行っちゃったよ」
本当に大丈夫だったのに...とオビは言うのに対し、そんなことも知らずに医務室に走っていくミツヒデ
その背中に為す術なく、オビの行き場の無い手は下に落ちていく
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作者名：戦力外 | 作成日時：2019年12月8日 20時
