第12話 ページ14
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翌朝、兵に場所を聞きながらイザナ殿下の部屋の前まで来ると前にいた兵が中に通してくれた。どうやら本当に話を通していたらしい
殿下に直通でお会い出来るなんぞこうでもしなければ私の身分では到底出来っこない
「失礼します。イザナ殿下、アル殿をお連れ致しました」
「入れ」
「はっ」
許しを得たところで失礼しますと一言言って部屋に1歩踏み入れる
そこには朝早いというのにも関わらず、昨日同様涼しい顔をしたイザナ殿下がそこに立っておられた
「やあ、おはよう」
「はっ、おはようございます
イザナ殿下」
そう敬礼をしながら挨拶を返せば、顔から微笑みが消え真剣な眼差しになるイザナ殿下
「で、どうだった？」
「はっ、.....」
事の経緯とゼン殿下がかの少年と会っている場所を報告すれば、やはりというように眼を細めるイザナ殿下に全て知っておいでで何故私に命令したのかを聞いてみた
「...お前がそれを知ってどうする」
「...いえ、出過ぎた真似を致しました」
「ふっ、冗談だ」
「...」
冗談...ここまで冗談ぽくない冗談は初めて聞いたかもしれない。思わず無言になってしまった
「そうだな...この件が済んだら、話すとしよう」
「はっ」
ん？この件？という事はまさか...
反射で返事をしてしまったが、遅れて気が付きイザナ殿下を見やると薄い笑いを浮かべながらこう言った
「アル・ルーズベルト、お前にゼンの監視を命ずる
ゼンは勿論、ミツヒデやその少年に気づかれることなくその役割を果たせ
報告は今日と同じように明朝に来い。以上だ」
「はっ、必ずや」
命を受けてしまったからにはやり遂げねばならない。私に何処を目指そうと言う気は無いが、これが今後の役に立てばいいなぐらいでやりきろう
それが丁度いい
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作者名：戦力外 | 作成日時：2019年12月8日 20時
