泥棒猫に負けた俺【男主】 (ページ41)

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暗いモニターページ41

夏油side

交流会は悠仁も合流して無事に始まった。

最初は呪霊狩りレース。

私も学生の頃にやったなぁと思い出し、思い出に浸る。
圧勝した記憶しかない。

こうのような対決は実力が同等でなければ見る方も行う方も楽しくない。
自分が学生だった頃は圧勝すぎて圧勝した記憶しか残っていない。
正直言って楽しくなかったが、悟や硝子と相手を罵倒して笑ったのは愉快だった。

私はなかなか青春していたんだなと改めて感じる。

さて、生徒たちもこれから青春するのか。

そう考えると微笑ましいな。

いい対決を見せてくれよ？
私たちの教え子なんだから。

と念を送っていたとき、悟の気持ち悪い顔が視界に入ってきた。

視線の先には悠仁。

ああ、またか。
悟は悠仁を見ているときに自分の顔がどれだけ溶けているのか知らないのかな？

いい大人が、と思うが本人が気にしてないのならいいだろう。

とんでもなく気持ち悪いけど。

そう思い、悟を見ていたらアイツは視線で何かを訴えてきた。
自分もなんとなく分かってしまうのがとんでもなく嫌だ。

時々途切れるモニターを見ながら小さくため息をついた。

切れてはついてを繰り返す２つのモニター。

１つは悠仁。

もう1つはA。

片方のモニターが切れっぱなしだということに悟は気がついているだろうか。

ずっと暗いままなのはAを映していたモニターである。

少しずつ不安が湧き上がってくる。

つかなくなって約5分が経過し、悟へ伝えようとしたその時、
一瞬だけモニターが光った。

映し出されたのは草を濡らす赤。

私は悟へ伝える前に部屋を飛び出した。