思い込みと期待 ページ40
五条side
悠仁が合流し交流会は無事始まった。
悠仁が学校生活に復帰できたのは嬉しいが長時間一緒にいられることは無くなってしまうだろう。
そう考えると惜しいことをしたような気もする。
でも誰であろうと若人から青春を奪うなんてしてはいけないからね。
僕は悠仁の目立つピンクの頭をじっと眺めていた。
はぁ、愛おしい。
可愛くて守ってあげたくなる。
と思ったのも束の間。
突然出てきた葵に悠仁が殴りかかった。
え、僕の恋人かっこよ。
惚れ直す。
悠仁の動きを見ているとかなり成長が感じられる。
葵とやり合うことで刺激となり新たな成長を遂げるだろう。
楽しみだ。
口角が自然と上がる。
傑がゴミを見るような目で僕を見てきたけど関係ない。
成長が楽しみだと感じるのは僕の生徒全員だからね。
別に悠仁を特別扱いしてるわけじゃない。
無意識にしちゃってるかもしれないけどそれは仕方ないことだよね。
と傑に視線で伝えた。
すると生ゴミを見るような目でコチラを見てきた。
「あんたたちなんで見つめ合ってんのよ」
「歌姫には関係ないよ」
「はぁ！？」
キレた歌姫を無視してモニターに向き直る。
悠仁のピンクの髪を頼りに恋人を探しているとモニターがプツンと切れた。
でもすぐにつく。
それからも悠仁の周りを映す映像とAを映す映像が切れてついてを繰り返していた。
悠仁は両面宿儺の器だし、Aは暗殺されてもおかしくない状態だから当然かもしれない。
でもAは何があっても自分でなんとかするだろう。
子供の頃からやっていた。
今更何をしたって大丈夫だ。アイツは強い。
問題は悠仁だな。
楽巌寺学長の様子からするに明らかに悠仁狙いだ。
最悪僕が駆けつければいいんだけど自分でどうにかできるようになっているはずだ。
ここは悠仁を信じて見守ろう。
この時、僕は悠仁ばかりを気にして気が付かなかった。
Aを映すモニターが切れっぱなしなことに。
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作者名：万年ぼっち | 作成日時：2023年12月25日 21時
