泥棒猫に負けた俺【男主】 (ページ39)

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信じてページ39

ああ、視界が掠れてい…くわけないだろ！

五条家にこき使われてる俺がこんな程度で死んだたまるかってんだ！

再び呪霊の首にナイフを突き立てた。

俺のナイフには腹から溢れ出た俺の血液が大量に付着している。

今こいつにとって俺の血液は塩酸のようなもの。
もちろんそいつは溶ける。

噛みついた口と首から同時に溶けた。

今度こそ呪霊の首を取ったのだ。

なんかあっけなかったような大変だったような。

俺の最終奥義は俺の血液に術式をかけること。

とんでもなく血を使う時もあるのであまり使うことはできない。

そして腹の血は止まりそうもない。

でもこの呪霊を倒したから呪霊狩りは終わりのはず。

あ、虎杖のところに行かないと。

制服のジャケットを脱ぎ、腹に巻いた。

流石に走るのは危険なので歩こう。

今は木々のざわめきなんて耳に入ってこなかった。

虎杖は無事だろうか。
死んでないといいんだけど。

心配を塗りつぶしたくて青空を見上げたら一瞬視界が暗くなった。

あ、やば。

血足りてないかも。

とりあえず倒れる前に座ろう。

近くにあった木にもたれかかって深呼吸をする。

するととんでもない眠気に襲われた。

少し、寝てしまおうか。

どうせ誰かが見つけてくれる。

仲間を信じて俺は瞼を下ろした。