泥棒猫に負けた俺【男主】 (ページ37)

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変ページ37

森の中を恵の玉犬を頼りに駆け抜ける。

今日は少し風が強い。
そのせいか木々のざわめきが普段よりも大きく感じて少し不気味だ。

木々のざわめき以外何も聞こえてこない。
とても静かで心地いいが交流会となっては話が別だ。

「変です」

『俺も思った』

恵の声に思わず反応する。

「二級呪霊(ターゲット)がそっちにいるってことか？」

「いや2級なら余程狡猾でない限り玉犬が気づきます」

狡猾…。
恵ちゃん難しい言葉知ってるのね。

『今度勉強教えて？』

「嫌です。それより、京都校(アイツら)。虎杖殺すつもりじゃないですか？」

恵の一言で緩んでいた俺の気がピンと張った。

「……あり得るな」

『あのジジイの指示なら全然ありうる。てかない方がおかしい気がしてきた。』

「…戻るぞ」

「……すみません」

『いや恵ちゃんの責任じゃないでしょ』

「そうだぞ。何謝ってんだバカ。仲間が死んだら交流会も勝ち負けもねーだろ」

『ほんとにな！たまにはいい事言うじゃん真希』

「いっつも名言言ってんだろ。てかお前は呪霊狩り続けろ」

『は？』

「悠仁の方は私と恵で行く。もし何もなかったら負けるだろ」

『いやいやいやそうだとしても確認するべきでしょ！？』

「その確認に3人もいらねぇっつってんだよ」

それだけ言うと真希はさっさと走っていってしまった。
恵は俺を見て何か言いたげな顔をしていたが俺がさっさと行けと手をぱっぱとすると真希の後ろについていく。

『はぁ』

1人になると余計静かだな。
考え事にもってこいの環境だ。
だが今は必要ない。むしろいらない。

そんな俺の思いとは裏腹に俺の頭は勝手に虎杖が死んでいたらと想像を巡らせた。

それと同時に五条先生のあの顔が脳裏に映画のスクリーンのように映し出される。

気がついたら俺は走り出していた。

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更新遅れました！
今は受験やら何やらで大変なのでなかなか更新できないと思います。気長に待っていただけると嬉しいです。

ここから本編から一気に遠ざかっていきます。
夏油さんが高専で教師してるので話の展開は全く違うようになっていきます。
それと交流会にも花御は来ません。
それだけ知っていただけたらありがたいです。