まだ諦められない ページ32
「おまたー!!」
ドドドドという足音と共に何かを押して五条先生が現れた
「五条悟!!」
庵さんは隠さずにチッと舌打ちをした
そんなことには目もくれずに五条先生は呑気に話し出した
「やぁやぁ皆さんおそろいで。私出張で海外に行ってましてね」
「急に語り始めたぞ」
ガヤを入れたパンダすらフル無視して五条先生は続けた
「はいお土産」
そういうと京都校の方に近づいていき一人一人の手のひらに何かを落としていった
「京都の皆にはとある部族のお守りを。あ、歌姫のはないよ」
「いらねぇよ!!」
三輪さん以外はすごく迷惑そうな顔をしている
逆になんで三輪さんが嬉しそうなのかがわからない
「そして東京都の皆にはコチラ!!」
五条先生はぐりんっと効果音がつきそうなほど勢いよく振り返ってコチラをみた
その様子を見た釘崎が「ハイテンションな大人って不気味ね」と言っているのを聞いて不覚にもブッと吹き出してしまう
無茶苦茶に言われてんの少し可哀想だなとか思いつつすごく共感した
バンッと五条先生がずっと押して移動していた滑車のついた箱をこっちに押し出した
するとその箱の中から
「故人の虎杖悠二君でぇーっす!!」
五条先生の声と共に
「はい!!おっぱっぴー!!」
死んだと報告されていた虎杖が出てきた
まぁ、これをされた俺たちはまさしくスペースにゃんこである
数秒もすると思考停止した頭が少しずつ動き出した
生きてる、のか?
幻覚とかじゃないよな
自分の頬をパシッと叩いてみるがしっかり痛い
嬉しい
最初に思ったことはこれだった
シンプルに後輩が生きていてくれて嬉しい
それに五条先生の大切な人が死んでいなくてよかった
その次に思ったのは俺にもうチャンスはないのだろうかということ
こんなに嬉しい時でもこんなことを考えてしまう俺はやっぱり五条先生のことを諦めきれてないみたいだ
こんな複雑な気持ちの中、姉妹校交流会がスタートした
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作者名:万年ぼっち | 作成日時:2023年12月25日 21時