いつか ページ24
伏黒side
虎杖が死んだ
両面宿儺の指を食べた馬鹿なやつだった
でも誰よりも優しかったし正義感があった
俺はこういう奴を生涯、助けていきたいと思ったんだ
でもやっぱりいい奴は早く死んでしまう
虎杖もそれだ
虎杖が死んだ任務の翌日、昨日の死ぬ直前の虎杖が夢に出てきていつもじゃ考えられないぐらい早い時間に起きた
ぼーっと天井眺めているとすぐに虎杖が頭の中に出てくる
自分が何もできなかった無力感でいても立ってもいられなくなった
だが部屋の中でもすることが見つからず、ささっと制服に着替えて散歩に出かけた
普段行ったことのないところに行こうと思って普段なら絶対に行かない寮の2階へと足を進めた
階段を登ろうとした時にふと目に入ったのは角で死んでいる虫でもたまっている砂でもなく2階へと続く血痕だった
2階に住んでいるのはA先輩のみ
最悪な想像が頭の中をよぎった
バクバクと急ぎ出す心臓を服の上からギュッと抑えて階段を駆け上がった
2階の廊下にはやはり血痕があった
そしてそれはA先輩の部屋で途絶えている
乱れる呼吸を深呼吸でととのえる
トントン、とノックをして
「A先輩。生きてますか？入りますよ。」
先輩の許可も取らずに扉を開けると床に座り込んでいるA先輩がこちらを見ていた
一見、何もないように見えるが俺は気がついた
「おはようございま、、どうしたんですか、その指」
彼の左手の小指の先がなくなっていてそこからぼたぼたと血が滴り落ちている
包丁でちょっとね、などと抜かす馬鹿先輩を無理やり医務室まで連れて行った
なんだかんだこの人とは長い付き合いだ
もしこの人も死んでしまったら、そう考えるだけで胸が苦しくなる
なのに彼はこの怪我はなんてことないというようなそぶりする。
彼が強いのはわかっている
でも、ヘラヘラと笑っているあなたがいつかこういう傷で死んでしまいそうな気がしてしまう。
どうか自分を大切にしてくれ
俺のために
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作者名：万年ぼっち | 作成日時：2023年12月25日 21時
