恋人 ページ23
五条side
虎杖悠仁、
僕の恋人が死んだ
一目見た時からビビッと来て運命の人だと感じた
悠仁も同じで僕たちは出会ってすぐに晴れて付き合うことができた
何かと批判されがちな男同士の関係
それを生徒や親友は受け入れてくれた
正直不安だったから嬉しかった
Aは沖縄でわざわざ僕たちのための色違いのグラスを買ってきてくれた
祝福してくれていて嬉しかった
でも、世間には男同士を認めない奴なんてたくさんいる
それのいい例が上層部の腐ったみかん共だ
五条家の血を途絶えさす気か、今後六眼の子供が生まれなかったらどうするんだ
付き合ってからずっと言われてきた
もちろん実家からも
でも悠仁の耳には届いてなかったんじゃないかな
僕がそうしたんだから
あの子は優しいからそういう事を気にするだろうし
とか考えながら過ごしてきた楽しい日々は突然過ぎ去って行った
腐ったみかん共が故意的に殺したのだ
上層部の連中を皆殺しにしてやりたいほど腑が煮えくり返っていた
でもつい考えてしまうあの子の気持ち
彼はそんな事をしても帰ってこないし喜ばない
その考えで踏みとどまることができた
悠仁が死んだと報告が来た日には硝子と傑と医務室で徹夜で話をした
僕の親友たちは僕を慰める訳でもなくただそばに居て僕の言葉に耳を傾けてくれた
それで少しは心が軽くなった
ようやく気持ちが落ち着いてきた悠仁死亡の報告があった翌日の朝
事件は起こった
珍しく朝から恵とAが医務室にきた
Aは焦っていないが恵はすごく焦っていた
一体何があったのだろうか
何があったのかと尋ねる硝子の問いにAは隠していた左手を出して笑いながら
「ちょっと包丁でやっちゃって」
と言った
ちょっとと言える傷じゃないことは医者じゃない僕でもすぐにわかった
Aが怪我をしたことはもちろん心配だったが、1番心配になったのは彼が何事もなかったかのように振る舞っていること
このままいろんな傷を抱え込んで悠仁のように死んでいってしまうのではないのか
すごく不安になった
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作者名：万年ぼっち | 作成日時：2023年12月25日 21時
