浮遊感と安定感 ページ15
何年何組の教室なのかわからない、いつもの教室に入るととんでもなくだらけている雰囲気なのが伝わってきた
あ、そういえば今日は休みか
じゃあさっき校庭でやってたのは自主練か
「置いてきぼりにされちまうわ」
「ん？なんか言ったか？」
「別にー？」
「おかか！」
「いやっ本当になんも言ってないって」
「いーや。絶対なんか言ってたね！」
「パンダまで！？」
「私の耳がおかしくなかったら“置いてきぼりにされちまうわ”って，言ってたな」
「うわっ！まじでやめろ！」
「たかな！すじこすじこ！」
棘が「大丈夫！置いてったりしないから」って言ってるわ
余計に恥ずかしいんだが
あまりの恥ずかしさに耐えきれず掃除用ロッカーの中に閉じこもるためにかけだそうとしたらパンダに腕を引かれてあっという間に胸の中。
「よしよしAは仲間はずれにされたみたいで悲しかったんだなー。大丈夫だぞー？」
「誰も置いてったりしねーよ。ほら、元気出たか？A」
「高菜！」
「おっ前ら…！いじめかよっ！」
この地獄から抜け出そうと必死にもがくがパンダの腕力に敵いっこないことは元からわかっている
必死の抵抗を見せるために俺は言葉で抵抗を始めた
「お前ら今日休みだぞ！？休みにこんな男いじめても楽しくねぇだろ！」
「「「いや？全然。(おかか)」」」
「うわっ！性根が腐ってやがる」
「なんだとー？そんなこと言う子はこうしてやるっ！真希！棘！」
「おう。わかった！棘！窓開けろ」
「しゃけー！」
お前らこんな時だけ団結力抜群だな！とか言ってやろうと思ったのだが、これから何をされるのか察してしまった
「は？え、ちょまじ！？」
「舌噛むから口ちゃんと閉じとけよ？いくぞー！」
パンダの合図で体が延伸力に引っ張られているのを感じ始めた
「よいっしょー！」
その声と共に俺の体は宙に投げ出された
浮遊感を感じる
そっと目を開けると
「っわぁぁぁぁー！死ぬっしぬってぇー！」
雨が降り始めて水溜りができた校庭が一面に広がっていた
まじで死を覚悟して目を閉じたその時。ふわっといい匂いが鼻を掠めた
「A？生きてる？」
背中と膝裏から空中とは思えない安定感が伝わってくる
目を開けるとやはり五条先生がいた
至近距離すぎて心臓が爆発しそうだ
「い、生きてます」
やっとの思いで返事をしたがこの状況に頭がついてきていない
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作者名：万年ぼっち | 作成日時：2023年12月25日 21時
