泥棒猫に負けた俺【男主】 (ページ14)

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お前ですよねページ14

「あのさ、夏油先生。」

ガタガタと揺れる車の中、俺は言った

「どうしたんだい？」

こちらに落ち着きを与えてくれる声で夏油先生は返事をした

「なんで俺と恵が同じベットで寝てたんですか」

なんだかんだで有耶無耶にされていたことを思い出した。

話を濁すかと思ったが意外とあっさり夏油先生は口を開いた

「昨日、みんなでどんちゃん騒ぎしたでしょ？」

「はい。何故だか途中で記憶がありませんが」

「あー、それはね。私にもわからないのだけど、気づいたら寝てたんだよAが」

「ま？」

「ま。それに恵くんも寝てたから悟が2人を部屋に送ってくるって言って教室から出ていったんだけど、」

…よし、犯人がわかった

「ありがとうございました。五条先生、探してきます」

「その行動力には相変わらず感心するけどまだ高専じゃないよ？」

「…呪霊にのせ「ません。」えー」

「あとちょっとだから大人しくしときなさい」

「はーい」

俺は諦めてボーっと景色を眺めることにした

高専が近いからか、目に映る景色は緑ばかり

何回見たらいいんだよ。この景色

ぼけーっとして緑を見ていたら高専が見えてきた

校庭で訓練しているのが見える

虎杖とパンダで組手みたいなのをしてて

真希と恵で武器の練習かな

で、釘崎と棘で体力作りかなんだかわかんないけど鬼ごっこ見ないなんをしてる

そしてそれを木陰から見守る五条悟

その白い頭を見つけた瞬間俺は夏油先生の静止も聞かずに車から飛び出していた

地面に足がついたらそこからは全力ダッシュ
今ならボルトより早く走ってる自信すらある

突然現れた俺をポカンと見つめている後輩と同級生をスルーして木陰で1人休んでいる五条先生を目指した

そして走ってきた勢いのまま五条先生を拳でぶん殴った。

が、パシッと手のひらで受け止められてしまった

なんともいえない気まずい空気が流れる

その空気に耐えられなかった俺は拳を下ろして五条先生の隣に腰を下ろした

そこから沈黙を貫き通す

それに耐えかねた五条先生が口を開いた

「A、なんで僕を殴ろうとしたの。殴られることした心当たりなんでないんだけど。僕のガラスのハートが傷ついちゃうよ」

「お前ですよね。恵ちゃんと俺を同じベットで寝かせたの」

「…あはっ」

コイツ…てへっと言う効果音がつきそうなぐらいの笑顔で誤魔化しやがった