愛の雪が降り積もる。

side koji ページ32

side koji

阿部ちゃんが家を出ていってからは
俺は何も考えずにテレビを見ていた。

これからはひとりじゃない。
そう思うとなんだか安心感で満ちた。
まぁまだ解決してないんやけど笑


ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

家のインターホンが鳴った。

｢は〜い！｣

｢配達でーす。｣

｢…？はーい！｣

こんな遅い時間に配達…？
それに俺最近なんか頼んだか？

…ちょっと怖いわ。

俺は恐る恐る玄関のドアを開ける。
そこには何も持っていない1人の
男の人がたっていた。

｢…ほんまに配達なんですか？｣

｢向井康二さんのお家で間違いないですか？｣

｢…なんのようです？｣

｢これを見て欲しくて。｣

そう言って男がポケットから取り出したのは
一枚の写真。

俺とめめが写ってる写真。

この一瞬で俺は全てを察した。

全てこいつだ。
この有り得へん量の郵便物も
脅しも全部こいつや…！

｢…あんたやったんですか。｣

｢やっと気づいてくれたんだね。こーじくん。｣

｢そんな馴れ馴れしく呼ばんといてください！
ほんまに迷惑なんで。やめてもらってええですか？｣

｢…やめて欲しいなら、お金だしなよ。｣

｢…お金目当てでこんな事して恥ずかしく
ないんですか？｣

｢恥ずかしい事してるのはこーじくんでしょ。
僕ね。君が思ってる以上に君の事知ってるんだよ。
例えば、目黒くんの家でヤってたりとか。｣

そう言って男はスマホを取り出して
何やら動画を再生しだす。

…そこには紛れもなく、
めめの部屋で俺とめめがやってる動画が
流れていた。

｢！？！？なんでっ！？はっ！？｣

｢ふふ。可愛いねこーじくん。これ。
マスコミに売られたら大変だよね？｣

｢なっ！？ほんま、どうなっとん！？
あんた誰なん！？！？｣

｢僕？僕はこーじくんのことが大好きな人。
この動画が売られたくなかったら。
お金が出せないって言うなら。

僕に君の体。売ってもらおうかな〜。｣

｢はぁ！？何ゆうと、っ！！！｣

突然俺は男に押し倒された。
男は力が強く俺が動けないように
俺の足の上に乗り両手を抑えてきた。

なんなん…！？！？
…怖い。ホンマに怖い。
遠くからめめの声が聞こえる…？
なんて幻聴起きてんのも全部怖い…！

｢僕ね、君を見て一目惚れだったんだ。
気づいたらスマホのストレージいっぱいになるまで
君の写真を集めていたよ。
大好きだよこーじくん。僕と一緒になろう。｣

｢いやぁぁぁ！！！ほんま！？！！
誰かっ、誰かっ助けてっっ！！！｣



…めめっ！！！！！！

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