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5コール 逃げるがなんとやら ページ6

*




「___“手前はさっき、俺から何を聞いた?”」





三つ目の質問は、よりにもよって、一番心を抉ってくる奴だった




『そ、それは……』



先程の彼の話を思い出す



_____最近、ポートマフィア内で、不審死が増えているのは、知っているな…


_____幹部会で…

_____マフィア内で裏切り者がいるんじゃないかっていう…



明らかに危険な案件


しかも、聞く限りトップシークレットの…




『……』


云おうにも、云える訳がなかった



「その沈黙は、全て聞いたっていう肯定として捉えるが?」

『………』



私がだんまりを決め込むと、途端に聞こえた溜め息


何故かすごく罪悪感が募る








「……嗚呼、そうだ」ふと電話の彼が思い出したように云った





「手前の携帯の履歴に俺の電話番号は?」



あ。やば。


そう思った瞬間、全身からサアッと血の気が引いていくような感覚




『…えと…あの……ばっちり、残ってます…』



答えた私の声は小さく、掠れていた。既に私の喉はカラカラだ




そうか、と彼は呟く



「てことは、手前は俺の個人情報を一つ握っているってぇ事だよなぁ」


『そ、そう、ですね…』


「つまり、手前は誰にでも、俺の情報を売る事ができる、と」


『…あ……』


「電話番号一つあれば何ができる?ハッキングして、組織の情報を根こそぎ手に入れるか?」


『…………』



「ここで、もう一度聞く。俺の職業は?」



『…ご!ごめんなさい!』



チッ、と不機嫌な舌打ちが耳元でなる




「ごめんですめば、警察はいらねぇんだよ」


いや、貴方が間違い電話かけてきたんだよ



理不尽極まりないが、この場合、彼の云っている事はあながち間違いではなかった

本当、できる事なら、今すぐ警察の方に来て欲しい。





もはや半泣き状態の私を、さらに追い詰めるように、耳元で声



「それで?手前はどう云い逃れするつもりだぁ?」

脅しに近い質問責めをされて、私は精神的にもう限界だ




『……さ、』


「さ?」




『さようなら!』


「…は⁉ちょっと待」



通話終了ボタンをタップした


云い逃れならぬ、云わず逃れである







三十六計逃げるに如かず




逃げるが勝ち、だ








当然ながら、携帯からはもう何も聞こえない



その事に安堵して、ひとまず私は、床にへたり込んだ








*

6コール 此処→←4コール 質問攻め



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水瀬琥雪 - うぅ…好きです!!こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
- もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った?wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか?よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
- 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆう。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年2月1日 19時

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