21コール 気づけば ページ23
*
がやがやと賑やかな店内
美味しそうな料理と、少しの煙草の匂い__
典型的な居酒屋である
『付き合え、ってこの事ですか…』
私は目の前に座る人物_太宰さんを見て云った
「んー?」
太宰さんは頬杖をつき、手に持っている日本酒の入ったコップをくるくると傾けながら此方を見やる
既に彼は数杯飲んでおり、泥酔とまではいかないまでも、ほんのりと頰が染まっていた
「君は飲まないのかい?」
『お酒はあまり飲んだことが…』
「ふーん。残念だなぁ。あわよくば酔ったAちゃんを介抱、とか思っていたのに」
『…冗談ですよね?』
「どう思う?」
そう云って楽しそうに、太宰さんは微笑んだ
彼お得意の真意の読めない笑みである
『…と、というか、お酒を飲むなら、太宰さん一人だけでよかったのでは…?』
太宰さんは少し考えるそぶりを見せて、また、微笑んだ
「寂しい事云わないでおくれよ。
『…そうなんですか?』
「そうさ。きっと、そう…」
何処か遠くを見るように、太宰さんは云った
今、何を思っているのか、何を感じているのか。
その表情からは皆目見当はつかないが、干渉するのはやめておいた
何処か近寄ってはいけないような雰囲気を感じたから
そう、これは_
___
……嗚呼。そういえば、早く帰らなくちゃだな
そう思い、時計を見やると、そろそろ遅い時刻である
うわあ、なんか云われそう…
「_ねえ、君」
ふと、太宰さんに声をかけられて、意識が引っ張り戻された
『あ、何ですか…?』
「さっきから時計を見ているようだけれど、何か用事でもあるのかい?」
『え…いや…』
そんなに時計を見ていただろうか
疑問に思う私に、太宰さんは微笑んだ
「それとも、____
的確に突かれたその質問に、息がつまりそうになった
『そ、れは…』
しかし、その続きは、もう毎日聞き慣れてしまった音に遮られる_____
prrrrrrr__________!!
私は携帯の画面を見た
またですか…
*
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水瀬琥雪 - うぅ…好きです!!こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
六 - もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った?wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか?よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
六 - 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)
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