14コール 彼の世界 ページ15
*
「仕方ねぇ。今度俺ん家から持ってくるか…」
そう云って彼は冷蔵庫の扉をしめ、立ち上がった
『お酒、いらない……』
「俺はいるんだよ。忘れてねぇか?俺も今日からここに泊まるんだ」
そうでした…
あまりに衝撃的すぎて、すっかりその事実から目を逸らしていた
嗚呼、マフィアとの生活って不安しかない
『…というか、それって、えと…私の寝首をいつでもかけるって事ですよね』
今更に気づいたが、私は今まさに自分の首をしめてしまっているのではないだろうか…
しかし、そんな私の心配とは裏腹に彼は特段なんでもないように云い放った
「それは手前も同じだろ」
『……!わ、私は!』
「どうだか。こればっかりは一般人とかマフィアとか関係ねぇよ」
そう云って彼は視線を落とした
心なしか、その瞳が寂しそうに揺れていた
そんな彼を見てすぐに悟る
…嗚呼、彼と私はあまりに違う世界に生きてきたんだ
カフェで初めて彼を見た時に感じた近寄りがたい雰囲気の原因は、きっとこれだ
彼の生きる世界、血と暴力に塗れた世界で、彼は一体何を見てきたのだろう
気になると同時に理解する事は出来ないという事も知っていたから、何故か無性に虚しくなった
「ははっ、なんつー顔してんだ手前」
余程おかしな顔をしてしまったのだろうか、彼がそんな事を云って笑う
『だって…』
「変な奴だな。手前は気にしなくていいんだよ」
そう云って優しく笑い、彼は私の髪をわしゃわしゃとかきまわした
『わっ』
「俺は見張りに来ただけだ。そう簡単に手前に手ェ出したりしねぇよ。それより、…」
と彼は着ていた
「腹減ってねぇか?態々泊めてもらうんだ、俺がなんかつくってやるよ」
『…料理、するんですか!』
「俺をなめてもらっちゃあ困るぜ」
自信満々の笑顔で彼は笑った
_____数十分後、私は知ることになる
…このマフィア、料理が滅茶苦茶にうまい。
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水瀬琥雪 - うぅ…好きです!!こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
六 - もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った?wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか?よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
六 - 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)
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