10コール 着信音 ページ11
*
「……御注文の珈琲です」
ことり、と音をたて、女給さんが彼のテーブルにカップを置いた
「他に御注文はありませんか？」
お盆を胸の前で抱え、上目遣いで彼を見る女給さん。驚異の女子力だ
私には到底真似できない。恐るべし
「ああ、今はいい」
しかし、彼はそんな彼女には目もくれず、コーヒーカップを手に取った
女給さんは「そうですか…」と、微笑んで行ってしまう
あの女給さんに靡かないなんて、余程女性に興味がないのか、自分がモテる事に無自覚なのか、はたまたその両方か
なんとも不思議な人だ…
……じゃなくて
自分がぼぉっと彼を見ていた事に気づき、慌てて今自分が考えるべきことに視点を戻す
今問題なのは、彼の事ではなく、自分の事だ
私はどうやら、マフィアに目をつけられてしまったらしい
しかも、最悪な事にそのマフィアと私は同じ街にいる。今に至っては同じ店だ
もし、彼らに見つかりでもしたら…。その事を考えると、背筋が寒くなった
拷問か、暗殺か
どちらにせよ、私に未来はない気がする
私の人生約二十年。嗚呼、もっとやりたい事ちゃんとやっとけばよかった……
一体全体どうしてこうなったのだろう
こんな事になるのを知っていたら、私はもっと明るい性格になってた
いつも提出が遅れるかギリギリになるレポートもちゃんとやったし、女子力も上げてもっとまともに恋愛だってした筈だ
私、彼氏なんていた事ないよ…
まったく神様というのは、時に酷く残酷である
次々と後悔と未練が湧き上がる。…人は何故こういう時に限って悪い事しか思い浮かばないのだろうか
「はあ」
溜め息が聞こえた
一瞬、自分のものかとも思ったがどうやら違う
溜め息をついたのは、…黒帽子の彼
いきなりどうしたんだ、と彼を横目で見た
すると彼は今迄飲んでいたらしい珈琲のカップをテーブルに置き、再度携帯を取り出した
そして、怠そうに親指でその画面を操作し、それを耳に当てる
と、ほぼ同時に
prrrr______！
本日二度目の着信音
もちろん、今回は彼の携帯のものではない
そして、他の客のものなんかでもなく
_____私の携帯
*
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水瀬琥雪 - うぅ…好きです！！こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (
レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
六 - もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った？wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか？よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
六 - 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)
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