間違い電話がかかってきた【文スト】

31コール 俺にできる事 ページ33

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「…はあ？そんな事で悩んでたのか手前」


『そ、そんな事とは何ですか！』



…友人との約束をついうっかり忘れて、破ってしまった。友人は笑って許してくれたけれど、すごく申し訳ない。



Aが話した内容をまとめると、大体こんな感じだった




なんか肩透かしを喰らった気分である




対して、ソイツは俺の言葉が不服極まりないというように、ふいっと外方を向いた




『これは重大な事件です！』



「手前がそう思うならそうなんだろうけど…」



コイツの“うっかり”は割とよくある事である

その友人も慣れているのではないか




『慣れているから駄目なんですよ！いつも迷惑かけて…』




Aは目を伏せて、口をきゅっと一文字に結んだ


コイツにもコイツなりに思うところがあるらしい







……ったく、仕方ねぇなぁ





「…駄目だと思うなら、直せばいい。唯、それだけじゃねぇか」




Aがそっと此方を見た






『…できるでしょうか』



「ああ、できるさ。…できた奴を俺は見たことがある」



…もっとも、アイツは酷くいけ好かねぇ奴だけど






「____だから、大丈夫だ」



目を見ると、Aは少し安心したかのように、頰を緩ませた



どうやら、俺の気持ちはちゃんと伝わったようだ




…とは云っても、きっとコイツはまだ律儀に悩み続けるだろうから






「心配すんな。俺が手前を元気付けてやる」





俺は、精一杯の笑顔で笑って、そう云った。




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