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▽イゾウside
「オレはイゾウだ。」
「…………はい。」
少々怖々としたようにルリの手を握るAに名を名乗る。
「ちょっと怪我をしていたので治療はしていますが、足も怪我しているのであまり歩かせないで下さいね。イゾウ隊長、あとはよろしくお願いします。Aちゃんイゾウ隊長にキモノ着せて貰ってね。あまり歩いちゃダメよ？」
「…はい。」
こくん、と頷いたAにルリは手を振って出て行った。おそらくオヤジに報告するんだろう。
「Aおいで。」
膝をついてそう言えば、ちょこちょことオレの前に来たA。その身体の所々に包帯が巻いてある。
「痛いかい？」
ふるふる。
「…そうか。」
傷に触らないように着せていく。すると
「……いぞう、たいちょう、さま。」
か細い声でオレを呼んだ。
「………オヤジの娘になったんだろう。」
「……えどわーど、さま？」
こてり、と考えるように答えたA。この子が賢いのは分かった。そういえば先程も首を傾げていたな。
「…あー…オヤジ言ってねぇな…」
「？」
「イゾウでいい。」
「…いぞうさま？」
「様はいらない。」
「………いぞう？」
「そう。ほかの奴らもさまはいらないよ。」
「……はい。」
こくり、と頷いたが納得はしてなさそうだ。
「……いぞう、はきものがわかるのですか？」
「オレはワノ国出身だからねぇ。」
「……わのくに？」
「…お前さんワノ国出身じゃねえのかい？」
ふるふる。
「じゃあどこだ？」
「……わかりません。」
「わからない？」
「……は、い。」
「…あー…別に怒ってるんじゃないよ。」
縮こまった姿に慌てて頭を撫でた。オヤジがそうしていてホッとしているのを見たからだ。落ち着いたのを見て着物をきちんと着せた。
「……いぞう、」
「なんだ？」
「…ありがとう、ございました。」
ペコリ、と頭を下げたA。
「気にするな。苦しくはないかい？」
こくり、と頷いたAを抱き上げる。抱き上げたらぱちぱちと瞬きをするAに笑う。
「くくっ。ルリに歩かせるなって言われてるからね。」
「……あるいちゃ、だめなんですか？」
「怪我が治るまではダメだな。」
「……じゃまになりませんか？」
「子供が気にするな。オヤジの所に行くぞ。」
くしゃり、とそう撫でれば小さな手が、ゆっくりとオレの着物を掴んだ。
(その小さな手がなんだか縋ってるように感じた)
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名無しさん - 名前のところがユアになってるところが何ヵ所がありました。直してくれると嬉しいです。この作品だいすきなので、応援してます。更新頑張ってください (2018年7月14日 21時) (
レス) id: eefbd9d545 (このIDを非表示/違反報告)
夜涙(プロフ) - 結愛さん» いえいえ、ありがとうございます！伝えなくていいかなって思ったんですが、やっぱり気になってしまって…もし、不快に思われてしまったならごめんなさい。 (2017年7月4日 1時) (レス) id: ed485df4ba (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夜涙さん» すみません！ご指摘有難うございます！直しておきます！ (2017年7月3日 11時) (レス) id: 4ce5084a76 (このIDを非表示/違反報告)
夜涙(プロフ) - 初めまして。あの、所々名前が『ユア』という風に表記されるので、直してもらえるとありがたいです。よろしくお願いします。 (2017年7月3日 2時) (レス) id: ed485df4ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっくん | 作成日時：2017年5月6日 22時
