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▽エースside
目の前でイゾウに抱きついて泣いて姉を呼ぶAを見て、どうしようもない気持ちが渦巻いた。
助けれなかったのは、オレだ。
Aの姉を優先すれば、生きていたかもしれない。でも、その場合は恐らくAが危なかっただろう。
人数が多かったのだ。
(…間違ったのか、オレは。)
最善だったかと問われると、分からない。
でも、目の前で泣くAを見ると間違ってしまったように思う。
−−−−
「………疲れちまったみたいだねェ……」
イゾウがそう言ってAを抱き上げた。どうやら寝てしまったみたいだ。
「………なぁ、イゾウ。」
「…なんだ。」
「……オレ……間違ったのかなぁ…」
Aを見れない。
オレのせいのように思えてきた。襲っていたあいつらのせいなのに。
「……間違ってねェよ。」
ポツリとイゾウが呟くように言った。
「…話を聞く限り攫われようとしていたのはこの子さね。それを非力だと分かって賊に向かって行った姉の、妹を助ける為の勇気をエースは見捨てるのかい？」
妹の為の、勇気…？
「この子は、親を知らないんだ。恐らくこの子を生んで亡くなったんだろうねェ。だから、唯一の家族だったんだろうよ。」
「……。」
「…エース。お前だってオレ達家族の誰かが、居なくなるのは嫌だろう？」
オレの家族の誰かが攫われようとしてて、それを見捨てるやつがいるものか。たとえ命を落としてでも助けたいと思うのは
「……"家族"だから…」
「この子は、エースのその選択で生きている。それを忘れるなよ。」
帰るぞ、と言ったイゾウは歩き出した。それを見送って、オレは墓を見た。そして
「…悪ぃな、ユキ。助けられなくて悪かった。」
墓へと頭を下げる。
「…オレ達白ひげ海賊団がAの"家族"になるぜ。
オレ達は海賊だけど…
ちゃんとAを守るからな！」
安心してくれ。
あの子が笑っていられるように
頑張るからな。
−−−−−−−
▽no side
エースがAの姉の墓を去った後、ふわりと何かが現れた。ソレは人のようで、着物を着た少女だ。しかしその少女は半透明で、体が透けて向こう側が見えている。
少女は暫くエースが走り去って行った姿を見て、微笑んだ。
《…どうか…妹を、よろしくお願いします…》
優雅に頭を下げて、そして顔を上げた少女は頬を濡らしていた。
《……大好きよ、A…》
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名無しさん - 名前のところがユアになってるところが何ヵ所がありました。直してくれると嬉しいです。この作品だいすきなので、応援してます。更新頑張ってください (2018年7月14日 21時) (
レス) id: eefbd9d545 (このIDを非表示/違反報告)
夜涙(プロフ) - 結愛さん» いえいえ、ありがとうございます！伝えなくていいかなって思ったんですが、やっぱり気になってしまって…もし、不快に思われてしまったならごめんなさい。 (2017年7月4日 1時) (レス) id: ed485df4ba (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夜涙さん» すみません！ご指摘有難うございます！直しておきます！ (2017年7月3日 11時) (レス) id: 4ce5084a76 (このIDを非表示/違反報告)
夜涙(プロフ) - 初めまして。あの、所々名前が『ユア』という風に表記されるので、直してもらえるとありがたいです。よろしくお願いします。 (2017年7月3日 2時) (レス) id: ed485df4ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっくん | 作成日時：2017年5月6日 22時
