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▽イゾウside
Aの手で触っているところには、血がついていたようで黒くなっている。
「……Aの姉の名前は、なんて言うんだい？」
「……ゆきねえさま……安倍雪ねえさまです。」
Aは俯いたままそう答えた。
「…ユキか。オレは顔を見てねぇが…この淡い色合いの着物着てるなら、きっとAと似てる子だったろうねェ。」
「…！」
ぱっと顔を上げたAに笑う。
「Aは肌白いからな。ユキもきっと白いだろう？」
「う、ん。…やさしくて…うつくしくて…すてきな……わたしの、じまんの…ねえさまです。」
泣きそうな顔で笑うAにくしゃり、と頭を撫でる。
(…また、らしくない顔しやがって…)
この子はどうしてこんなにも耐えるのだろうか。寂しいならば、悲しいならばそう言って泣けばいいのに。
「…そうか。そろそろ行くか…」
「いぞう…これもっていきたい。」
Aが手に乗せているのは大事そうに手に取った巾着と何か書かれた紙だ。
「エース。あの中にポシェットがあったはずだ。出してやれ。」
昨日買ったものがそのまま詰め込まれた場所を指さす。
「おう。」
エースに探させてる間に
「A、この着物はどうする？」
「…のこしておきたい。」
「洗うか？」
「…ち、とれる？」
「綺麗には取れないと思う。時間が経ちすぎてるからな。」
「…このまま、でいい。」
「分かった。閉まっておこうな。」
「…いいの？」
泣きそうな顔に優しくただ抱きしめてやる。
「いいに決まってんだろ。」
ぎゅっとオレの着物を握るAを抱き上げて
「おいエース。見つかったか？」
「いやイゾウ。この中悲惨すぎるだろ。」
「まだ片付けてねェからな。」
１日で片付けられるかよ、と言えばそれもそうか、と返ってきた。
「お！1個見っけ！…ネコのポシェットとか買ったっけ？」
エースの手には白猫の顔のポシェット。ふさふさしていてなかなか触り心地が良さそうだ。
「あー…なんか店員がかなり推してたやつ。」
「あ〜……これでいいか？」
面倒くさくなったな。
「まあ、それくらいの大きさなら入るだろ。」
「Aこの中に入れろよ。」
「ありがとございます。」
巾着は本当に大切そうに中へ入れて紙は軽く曲げて中へと入れたAにエースがポシェットをAの首にかけて
「おーAが持つと超可愛いわ。」
エースがニカっと笑った。
「？ねこさんかわいいね。」
Aもポシェットを見てそう言った。
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名無しさん - 名前のところがユアになってるところが何ヵ所がありました。直してくれると嬉しいです。この作品だいすきなので、応援してます。更新頑張ってください (2018年7月14日 21時) (
レス) id: eefbd9d545 (このIDを非表示/違反報告)
夜涙(プロフ) - 結愛さん» いえいえ、ありがとうございます！伝えなくていいかなって思ったんですが、やっぱり気になってしまって…もし、不快に思われてしまったならごめんなさい。 (2017年7月4日 1時) (レス) id: ed485df4ba (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夜涙さん» すみません！ご指摘有難うございます！直しておきます！ (2017年7月3日 11時) (レス) id: 4ce5084a76 (このIDを非表示/違反報告)
夜涙(プロフ) - 初めまして。あの、所々名前が『ユア』という風に表記されるので、直してもらえるとありがたいです。よろしくお願いします。 (2017年7月3日 2時) (レス) id: ed485df4ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっくん | 作成日時：2017年5月6日 22時
